楽天・浅村 お立ち台で涙...19秒絶句、通算2000安打は「長かったし苦しかった」 家族の支えに感謝
2025年5月24日(土)17時16分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ 楽天—日本ハム(2025年5月24日 楽天モバイルパーク)
楽天の浅村栄斗内野手(34)が24日、本拠・楽天モバイルパーク宮城で行われた日本ハム戦でNPB史上56人目となる通算2000安打を達成した。平成生まれの2000安打達成は初。
通算1999安打で迎えたこの日は「3番・一塁」でスタメン出場した。初回1死二塁の第1打席。本拠の大声援を受けながら打席に立つと、相手先発・山崎が投じた131キロのカットボールを右前に運び、メモリアルな一打で先制点を奪った。
チームも2—1で偉業に花を添える勝利を飾った。お立ち台では「長かったし、苦しかった」と心境を吐露した。打席に向かった際の心境を尋ねられると「ちょっと待ってもらって良いですか」と約19秒間、言葉に詰まりうつむきながら涙を流した。
スタンドの大声援を受けると再び「はい、うれしいです」。改めて「残り1本だったし、チームとしての目標ではないので何とか早く決めたいと思っていた。打球が抜けてホッとした」と語った。
一塁上では記念のボードを受け取り、ベンチ前に整列した日本ハムの選手らからも拍手で祝福を受けた。歓喜の光景を振り返り「試合中にも関わらず僕の記録で時間を止めてくれて、日本ハムの皆さんも前に出てくれてありがたかったです」と相手の日本ハムナインにも感謝を述べた。
支えてくれた家族への思いを聞かれると、再び声を震わせながら「一緒に苦しんでいつでもサポートしてもらってありがたい限りです。ありがとう」と言葉を振り絞った。
スタンドのファンに向けては「こんなに大勢の皆さんを待たせてしまって申し訳ない気持ちだったし、ふがいない成績ばかりだったので目の前で達成できて良かった」と話し、喝采を浴びた。
全員で踏ん張り1点差の接戦をものにした。試合中は「僕も(自分のところに打球が)飛んでくるなと思っていた。それぐらい緊張感があった」と明かしスタンドを沸かせた。味方に向けては「僕のためではなく、チームのためですけどそういう気持ちは凄く感じた」と感謝を述べた。
改めて「うれしい記録だが近づくにつれて苦しかったし、それぐらい偉大な記録なんだなと改めて感じた」と振り返り、「2000本(安打)で終わりではないので、もっとレベルアップして頑張りたい」と決意を新たにした。最後はスタンドに向けて「泣くつもりはなかったんですけど、いろいろ思いが出てきて…。すみませんでした」と笑顔を見せ、万雷の拍手を浴びた。