元黒服の異色経歴62歳が試合で初エース決め副賞100万円獲得 崎山武志が68で回り首位タイ発進
2025年5月24日(土)16時54分 スポーツニッポン
◇マイナビシニア&レディースカップ第1日(2025年5月24日 千葉県柏市・藤ケ谷GC(男子シニア6826ヤード、女子レギュラー6368ヤード、女子レジェンズ5782ヤード、いずれもパー72)賞金総額1500万円 優勝150万円 参加男子シニア24人 女子レギュラー17人 女子レジェンズ7人 アマ48人)
男女シニアと女子が同組で回る混合戦。崎山武志(62=アビバホールディングス)が15番でエースを決めるなど68で回り、寺西明(59=安原HD)とともに首位スタートを切った。大竹康子(50=唐沢GC)が69の3位で女子のトップにつけている。
会心の手応えだった。ピンまで194ヤードの15番パー3。崎山が5Iで打ったボールはピンの手前から転がりカップに飛び込んだ。
「良い感じで振り抜けました。ボールが消えたのは分かったんですが、あんまり喜んでもボールがあったらと思って…。グリーンに向かう途中でマーカーさんから“入りました”と言われました」。試合で初体験のエースを笑顔で振り返った。
勢いは止まらない。続く299ヤードの16番パー4では、ティーショットをグリーンエッジまで運び、2打目をウエッジで1メートルに寄せバーディーを奪った。
「一緒に回ったアマチュアの方も女子プロの大竹さんも凄い良い雰囲気で、午前中から回っていたんですよ。その中で出たホールインワン。本当にチームのおかげでした」と同伴競技者に感謝した。
62歳の大ベテラン。15、16年にはシニアツアーの賞金ランク2位に入った実力者だが、ショットイップスに悩まされ昨季は11年守り続けてきた同ツアーの賞金シード(30位)から陥落。今年3月に行われたツアー予選会(QT)も60位と結果を残せなかった。
しかし、試行錯誤を続けているうちに復調のきっかけをつかんだ。「以前はダウンスイングでクラブが下りてこなくなっていたんですが、トップの切り返しで逆に止めて練習をするようにしたら、気持ち良く振れるようになりました」。これまでは、特にアイアンショットを打つ時にイップスの症状が出ていたが、それが改善され自信を取り戻した。そして、よみがえった切れのあるショットでホールインワンをマークした。
中学卒業後に愛媛から上京し、池袋のクラブの“黒服”や飲食店経営を経て24歳でゴルフ場の研修生になり29歳でプロテストに合格した異色の経歴の持ち主。
この大会はプロとアマチュアが一緒に回り、ゲストをもてなしながら優勝を競い合うユニークな試合形式だけに「明日もアマチュアの方と楽しくプレーしながら、もちろん優勝もしたいですけど、まずアマチュアの方々をメインに考えていきたいです」とシニアになって花を咲かせた苦労人らしく、おもてなしの心を最優先に目標を語っていた。