ド軍指揮官 抜群の安定感誇る山本由伸に最大級の賛辞「チームのMVP。エースだと自信持って言える」
2025年5月27日(火)11時31分 スポーツニッポン
◇インターリーグ ドジャース7—2ガーディアンズ(2025年5月26日 クリーブランド)
ドジャースの山本由伸投手(26)が26日(日本時間27日)、敵地でのガーディアンズ戦に先発し、6回3安打2失点、7奪三振で6勝目。大谷翔平投手(30)は2戦連発となる19号先頭打者弾で援護し、チームは連敗を2で止めた。
初回は先頭の好打者・クワンを3球三振。2球で追い込むと最後はスプリットで空振りを奪った。2番・ネーラーもスプリットで2者連続の空振り三振。3番・ラミレスもカットボールでニゴロに打ち取り、上々の立ち上がりを見せた。
3回に先頭・アリアスを四球で歩かせると、続くマルティネスに右前打を許し無死一、二塁。ここで9番・ウィルソンが送りバントを試みた。打球は前進していた一塁手・フリーマンの横をすり抜け、転がったが、この打球を山本が捕球すると、一塁ベースが空いていたため自らベースまで走って最後はヘッドスライディングした打者走者にグラブでタッチ。セーフならば無死満塁というピンチを好フィールディングで1死二、三塁とした。続くクワンの遊ゴロで三塁走者の生還を許したもののネーラーを空振り三振に仕留め、最少失点で切り抜けた。
4回も失策が絡み1死一、二塁と得点圏に走者を背負ったが、シュニーマンを95・1マイル(約153キロ)の外角直球で遊ゴロ併殺に打ち取った。
6—1の6回2死からラミレスに右翼へ二塁打を許すと、続くマンザードに中前適時打を浴び2点目を失ったが、大崩れせず試合をつくった。88球を投じ、最速は96・3マイル(約155キロ)を計測。6回2失点で3試合連続クオリティースタート(=QS 6回以上、自責点3以下)を達成し、防御率は1・97でナ・リーグ2位をキープした。
この日のクリーブランドは「ミッジ」という羽虫が大量発生。07年のポストシーズンではこの虫の影響でヤンキース・チェンバレンが集中を乱され、失点。チームはその後、サヨナラ負けした例もある。だが、山本はミッジに惑わされることなく安定した投球を続けた。
試合後、デーブ・ロバーツ監督は、この日の山本の投球について「今日はとても良かったと思う。制球が本当に良く、様々な球種を織り交ぜていた。三振も取れ、緩い打球を打たせていた。一塁での(バントの)プレーの後、股関節に少し違和感を感じていて、それが投球に影響したのかどうかは分からないが、5、6回はそこまで良い状態ではなかったように思えた。特に前回の登板ではかなり長く投げてもらった後で、日曜日(の登板)に向けて準備を整えるという意味では、今夜は無理をさせない方が理にかなっていると考えた」と絶賛した。
また、山本の存在はどれだけの価値があるかと問われると「これまでの状況を考えると、彼は私たちのチームのMVPと言えるかもしれない。攻撃面では翔平、フレディも多くの選手に支えられている。投手陣の中では(山本が)6、7イニングを投げてリリーフ陣をリセットし、登板するたびに勝利のチャンスを与えてくれていることは、非常に大きな意味を持っている。彼がエースだと自信を持って言える」と最大級の評価を送った。
救援陣が登板過多で疲弊しており、山本の先発の日は安どしているかと問われると「実際にそうだ。彼も私やチームメートがそう思っていることを感じていると思う。彼がボールを持つ時、その自信、信念、そしてもちろん彼のパフォーマンスが得られるから、先発の時は本当に興奮する」と信頼を口にした。