杉本正氏 ソフトバンク前田純と松本晴はモイネロらの配球を参考に
2025年5月27日(火)6時0分 スポーツニッポン
【杉本正 視点】ソフトバンクは有原が27日の日本ハム戦で戻ってくる。結果は出ていないが、投球内容自体はさほど、変わっていない。昨年まで粘れたところが粘れず、大量失点が多かった。エースと呼ばれる存在になっているのでベンチも信用し、長い回を投げさせる。ただ、その中で失点が目立つ。交代させていい場面で引っ張る。中心的な投手だが、勝負どころという意味では昨年とは違う交代のタイミングもあっていいのではないだろうか。
そういう意味では前田純や松本晴がもう少し、長い回を投げるようになってもらいたい。大関、モイネロも含めて先発に左腕は4人いる。その中で相乗効果は当然ある。左投手はこうやれば抑えられるという引き出しを多くすれば、投げられるイニング数も増える。それぞれタイプはあるけど、左腕は左腕の配球が参考になる。
僕自身、左投手だった。前回20日からの日本ハム3連戦はモイネロ、松本晴、前田純と左腕が3人並んだ。一般的に間に右投手を挟んだほうが、打者の目線を変えられるなどと言われる。だが、当事者にしてみれば関係はないと思っている。例えば前の試合で左投手が投げていれば、打者の対応のデータが明確に取れる。それぞれ、タイプは違えど、相対的に左投手の入ってくるボールが苦手な右打者への対応は共通したものがある。
交流戦前、日本ハムとは最後の2連戦。有原、モイネロをくっつけたのはある意味、首位を走る日本ハム戦というのもあるだろう。立て直す意味ではローテを変えてでも交流戦前に貯金をつくるのは大事かもしれない。交流戦になれば相手も変わり一度、フレッシュな形になる。現在、勝率5割のラインにいるわけだから、ここで勝ち越せばチームに勢いはつくはずだ。 (スポニチ本紙評論家)