少ない機会で必死にアピール 大切な仲間たちの姿が、日本ハム・松本剛に火をつける
2025年5月24日(土)8時0分 スポーツニッポン
金色のローマ字で書かれたネームプレートは、少しだけほこりがかっていた。打撃不振で2軍調整中だった日本ハム・松本剛外野手(31)が、今月20日に最短10日で1軍復帰。通常出場選手登録を抹消されれば、使用していたロッカーは片付けられるが、松本剛のロッカーはそのままの状態だった。首脳陣は早期の復調を信じてくれていた。
「基本的にロッカーは新しい人と入れ替わる。ネームプレートも外されるが、そのまま置いておいてくれたので。頑張らないといけないですね」
打撃不振で8日に出場選手登録を抹消。故障と体調不良以外で離脱したのは新庄政権下では初めてだった。「(抹消は)あり得るなと思っていた。やっぱり、数字の世界なので結果が残っていなければ」と、素直に受け入れた。9日に合流後はイースタン・リーグ7試合に出場し打率・370、4打点、1本塁打。「大きく技術を変えるというよりかは頭の整理をしっかりして。打席の中で割り切って行くのを1番大事にした」と、復調の兆しをつかんだ。
22年に首位打者を獲得するなど、新庄政権で花開いた一人。近年は絶対的レギュラーとして試合に出続けてきたが、今季は五十幡ら若手の台頭でスタメンを外れる日も増えた。だが、「(中島)卓さんは代打バントをしっかりと決めている姿を見た。打席感が少ない中、大事な場面で決めるのは相当難しいこと。(清水)優心にしても、少ない先発マスクの時に結果を出していた。そういう姿を見た時に僕も。今年は出たり、出なかったり難しい時もあるけど。良い刺激をもらいましたね」。数少ない出場機会で、必死にアピールする2人の姿に心を動かされた。
「ファームはチーム状況や育成方針がある。実力で言えば、卓さんや優心がファームの試合に出るべきなのはみんな分かっていると思うけど。出られない中でもしっかり練習をして、しっかり準備をして。限られた打席機会で自分のできることをやっている姿を見た時に僕ももう一回、改めて頑張らないとなって思いました」。大切な仲間に気付かされた。まだまだ、若手に負ける訳にはいかない。ここから、剛の反撃は始まる。(記者コラム・清藤 駿太)