甲子園最強1番が「声」でつかんだ“人生初4番” 浅村栄斗はなぜ強打者に進化したのか 元西武担当記者が「見た」

2025年5月25日(日)5時50分 スポーツ報知

1回終了時、2000安打達成の記念ボードを手にファンへ感謝する浅村栄斗(カメラ・上村 尚平)

◆パ・リーグ 楽天2—1日本ハム(24日・楽天モバイル)

 楽天・浅村栄斗内野手(34)が自身初タイトルとなる打点王に輝いたプロ5年目、13年の西武担当・加藤弘士編集委員が大ブレイクのきっかけを「見た」で振り返った。

 浅村は「甲子園史上最強1番打者」と呼ばれる。08年夏の甲子園で大阪桐蔭を優勝に導いた、スピーディーな切り込み隊長。6試合で29打数16安打の打率5割5分2厘の暴れっぷりだった。

 その印象が強いため、西武入団後も1番への定着こそ未来予想図とされてきた。固定観念を打破し“強打者・浅村”を生み出したのが当時の渡辺久信監督だ。

 ハマスタのスコアボードから序盤、浅村の名が消えた。13年5月28日のDeNA戦。「7番・遊撃」で先発出場したが、攻守に精彩を欠いた。すると渡辺監督は“懲罰交代”を指示したのだ。

 「でもベンチでオレの前に座って、必死に声を出していたんだよ。この姿勢はいいなと思ってね」

 翌日のスタメン表を見て、レオ番記者は驚いた。浅村の名が4番にあったからだ。期待に応え、二塁打2本の活躍。試合後、「4番は人生初。変な感じですね」と笑った。その年、打率3割1分7厘、27本塁打、110打点の大ブレイク。パを代表する大砲になっていく。

 口数が多いタイプではないが、カラオケでは美声を響かせ徳永英明のデビュー曲「レイニーブルー」を歌ってくれた。記者がボーナスを全額ぶっ込んで買った腕時計を見つけ「かっこいいっすね〜」と褒める気遣いもうれしかった。若者の無限の可能性を先入観で縛ってはいけないと、22歳の浅村は教えてくれた。

スポーツ報知

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