日本代表初選出の柏MF熊坂 大学経由で遅咲きの24歳が続けてきた不断の努力「全て吸収したい」
2025年5月28日(水)18時54分 スポーツニッポン
日本代表に初選出された柏MF熊坂光希(24)が28日、日立柏総合グラウンドでの非公開練習後に取材に応じ、初代表への意気込みを語った。
柏U—18時代は右膝の負傷に悩まされ、目立った活躍ができず。公式戦のピッチにほとんど立てなかった当時を振り返り、「そのときは今の姿は想像できていなかった」と言葉にする。
東京国際大への進学が大きな転機となった。柏のアカデミーでやってきたスタイルとは異なる高強度なサッカースタイルに何とか順応しようともがいた。そうした環境の変化に適応することで、熊坂はよりたくましくなっていく。
「1年生のときから試合に出ないとプロにはなれないと思っていた。そのために、まずはそこに早く慣れること、監督の要求することを忠実にやった。親に今まで苦労させた分、恩返ししたい気持ちもあった。真大や同期の活躍も見て本当に刺激をもらったので。そういう部分からパワーをもらっていた」
異なるサッカーを体得したことで「プレーの幅が広がった」と言う。柏のアカデミーで育まれた技術と戦術眼に加え、運動量や高いプレー強度を手に昨季プロの門をたたいた。1年目は、リーグ10試合に終わった。雌伏の時を過ごしたが、雄飛の時を待ち不断の努力を怠らなかった。
「高校生の時にもそういう時期はあったので。変な話、慣れているというか、いつかチャンスは来ると思っていた。自分は日々の練習にとにかく全力で取り組むことを意識してきた」
そして、2年目の今季は開幕から定位置を確保すると、欠かせない存在としてチームの上位躍進に貢献してきた。今季から指揮を執るリカルド・ロドリゲス監督との出会いも「大きかった」という。
「監督は『常に自信を持ってプレーしろ』と言ってくれる。そういう部分では自信がついてきたのかなと思う」
指揮官は「もっとできる」と言い、その背中を押し続ける。熊坂もその期待に応えようと、結果を求め続けてきた。その先に待っていたのが、初代表だった。「緊張する」という初の大舞台で、「いろんなモノを吸収したいけど、吸収できるものは全て吸収したい」と目を輝かせる。性格は少し控えめだが、スケールの大きなボランチの伸びしろは計り知れない。