エース級快投の高橋宏斗に“援護なし”…球界最高クラスの逸材を活かせない立浪中日の苦しい現状

2023年6月5日(月)6時0分 ココカラネクスト

WBCで異彩を放った高橋。しかし、世界的な声価を高める若武者も中日では勝ち星に恵まれない。(C)Getty Images

 日本球界屈指のポテンシャルを備える若竜右腕が苦しんでいる。高橋宏斗だ。

 侍ジャパン史上最年少で選出されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で異彩を放った高橋。とりわけアメリカ代表との決勝戦では、敵主砲マイク・トラウトから奪三振を記録するなど、鵜の目鷹の目のメジャースカウトによる熱視線が注がれる場で特大のポテンシャルを遺憾なく発揮し、世界的な声価を高めた。

【動画】118球の熱投! 高橋宏斗が強打のオリックス打線に魅せた奪三振ショー

 そして大きな期待を持って迎えたプロ3年目の今シーズン、高橋はなかなか勝ち星に恵まれない。9先発で1勝6敗と負け数が大幅に先行。6月4日にバンテリンドームで行なわれたオリックス戦も7回(118)を投げて無失点、自己最多13奪三振を記録するも白星はつかなかった。

 決して内容が悪いわけではない。序盤から奪三振ショーを展開した4日のオリックス戦も、ピンチらしいピンチは無死一、二塁とピンチを招いた2回と1死満塁とした7回ぐらい。それ以外は強打を誇る相手打線に6回までに10奪三振と付け入る隙を与えなかった。

 さらにここまで被打率は.212。1投球回あたり何人の走者を出したかを表す指標WHIPも1.14と安定。加えて10.76という奪三振率の高さを誇る高橋は、間違いなくエース級の働きを見せている。

 それでも若干二十歳の剛腕は勝てないのである。なぜなのか? 理由はさまざまにあるが、大きな要因として挙げられるのは味方打線からの圧倒的な援護のなさだ。

 今季の高橋は9登板で援護点は6、率にすると1.2しかない。これは30イニング以上を投げた投手の中では12球団ワーストの数字だ。さらに4試合に登板した先月に至っては1点台を下回る0.75と、全くと言っていいほど攻撃陣のサポートを得られていないのだ。

 元々貧打がチームの課題とされてきた中日は、今季もチーム打率(.240)はセ・リーグ5位(最下位はヤクルトの.235)と低迷。それだけに若手中心となっている野手陣の奮起がなければ、今後も高橋は援護を得られない苦しい登板を余儀なくされるのは必至。これも苦戦が続いている立浪和義監督率いる名門の悲しい現状を現す一例と言えそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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