「全部の球種が90点」かつての巨人の正捕手・村田真一氏が語った「三本柱」秘話とは
2023年7月13日(木)16時15分 ココカラネクスト
現在はファーム総監督としてチームを支えている桑田氏(C)Getty Images
日米通算100勝100セーブ100ホールドを記録するなど数々の記録を打ち立てた上原浩治氏。昨年に自身のYouTubeチャンネル「上原浩治の雑談魂」で公開した動画では、かつて巨人の正捕手として活躍した村田真一氏を招き、一世を風びした斎藤雅樹氏・槙原寛己氏・桑田真澄氏の「巨人三本柱」について語っている。
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巨人の3本柱といえば、1980ー1990年代のチームを支えた名投手たち。まず村田氏は自身が巨人で1番食事をした投手として名前を挙げたのが、最多勝5回、3度の沢村賞受賞と数々の輝かしい実績を持つ鉄腕、斎藤氏だった。普段の生活面はまったく気をつかわない選手だったそうだが、試合となると頑固な一面もあったという。サイン交換で互いの考えが一致せず、村田氏がタイムをかけてマウンドへ向かうこともしばしばで、「1点勝負の場面で僕は外のスライダーを選択したんですが、斎藤はインコースの真っ直ぐを投げたいと。僕は『状況を考えてくれ』と言ったんですが、彼は『僕を信じてくれ』と譲らなかったので、もう好きにしてということがありました。結果打ちとったんですが、ベンチで首脳陣から『あそこでインコースはないやろ』と言われたこともありましたね」と、かつての試合の裏側を明かした。
一方、村田氏が「投げる天才」と、その才能を絶賛するのが、平成唯一の完全試合達成者である槙原氏だ。
中2日で偉業を成し遂げたことでも注目を集めたが、その際に投球を受けていたのが、村田氏だった。当時を振り返り、「8回まではできるとは思っていなかった」と、それまで完全試合は漫画の世界のようなことだと思っていたと振り返る。
そんな大記録が迫る中、村田氏はキャッチャーならではのあることを考えていたという。
「もしカウントが3-2になった時、完全試合を求めるならゾーン内に入る球を選ばなければいけない。そうなったらどの球を選べばいいのかということは考えましたね」
結果的にフルカウントまで一度もいかなかったものの、もしフルカウントになっていたらと問われると、「マウンドへ行っていたと思います。『マキ、お前どうしたい?お前の記録はお前が決めなはれ」と。自分のせいにされてもいやですからね(笑)」と秘話を明かす場面もあった。
そして、最優秀防御率をはじめとしたタイトルのほか、沢村賞、ベストナイン、ゴールデングラブ賞など、数々の記録を達成した桑田氏。エースナンバー「18」を背負い、入団2年目の87年に15勝6敗、防御率2・17で最優秀防御率のタイトルを獲得すると、同年含めて6年連続で2ケタ勝利をマーク、現役晩年にパイレーツに入団とメジャー挑戦したことも大きく話題を集めた。
年が離れていたこともあり、食事などに行く機会は少なかったという村田氏だが、「全部の球種が90点と言った感じで、すごくまとまっている」とコメント。桑田氏といえば、「野球センスの固まり」ともいわれ、打撃成績やフィールディング、けん制などの能力含め、すべての面において高い能力を発揮したことが広く知られている。総合力の高さを村田氏も評価していた。
時代は令和に代わっても先発3本柱といえば、この3投手の名前が挙がるほど、野球ファンの間に鮮烈な印象を残した。動画内では長く付き合った「女房役」だからこそ知る、3人の素顔に触れている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]