アルピーヌ育成のジャック・ドゥーハンが完勝で今季初優勝。岩佐歩夢は4位【FIA F2第10戦レース2】

2023年7月23日(日)18時6分 AUTOSPORT web

 7月23日、2023年FIA F2第10戦のフィーチャーレース(決勝レース2)が、ハンガリーのハンガロリンクで開催され、ジャック・ドゥーハン(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング/アルピーヌ育成)がポール・トゥ・ウインで今季初優勝を飾った。6番手スタートの岩佐歩夢(ダムス/レッドブル&ホンダ育成)は4位でチェッカーを受けた。


 第10戦決勝レース2のグリッドは7月21日に行われた予選結果順となり、ドゥーハンがポールポジションを獲得。2番グリッドにビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)が続き、アルピーヌ育成の2台が最前列を占めた。


 2列目3番グリッドにランキング首位フレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)、4番グリッドにランキング2位に続くテオ・プルシェール(ARTグランプリ/ザウバー育成)が続き、3列目5番グリッドにアイザック・ハジャル(ハイテック・パルスエイトレッドブル育成)、6番グリッドに岩佐と、3列目はレッドブル育成が並んだ。


 今大会のタイヤコンパウンドは、硬めのプライムタイヤがミディアム(イエロー)、柔らかめのオプションタイヤがソフト(レッド)となるなか、上位勢の多くはオプションタイヤを装着。一方、岩佐はライバル勢とは異なるプライムタイヤでのスタートを選択した。


 直前の計測で気温26度、路面温度38度という青空の広がるコンディションのなか、タイヤ交換義務を有する周回数37周(60分+1周)の決勝レース2は、現地時間10時5分(日本時間17時5分)にフォーメーションラップを迎えた。


 ドゥーハンがホールショットを守る一方、3番手スタートのベスティがターン1でマルタンスをかわし2番手に浮上。岩佐は7番手スタートのオリバー・ベアマン(プレマ・レーシング/フェラーリ育成)に一旦はかわされるもポジションを取り戻し、6番手のままオープニングラップを終えた。


 トップ5はオプションタイヤを履く一方、岩佐はプライムタイヤ最上位の6番手を走行。7番手にオプションタイヤのデニス・ハウガー(MPモータースポーツ/レッドブル育成)、8番手にオプションタイヤのエンツォ・フィッティパルディ(ロダン・カーリン)、9番手にプライムタイヤのベアマンというオーダーで序盤の周回は続いた。


 オプションタイヤを履くトップ5が1分33秒後半というペースの中、岩佐は1分34秒台後半。岩佐以下は1分35秒台というペースで推移。5番手ハジャルと6番手岩佐は5周目に6秒差まで広がるものの、オプションタイヤを履くハウガーに対し1秒以上のギャップをキープし、ハウガーをDRS圏内に近づけない。


 6周目にドゥーハンが1分32秒945とこの時点のファステストを更新するが、8周目ごろより上位5台を占めるオプション勢のタイムは、プライムタイヤの岩佐のタイムとほぼ同じに。ただ、オプション勢のタイムも大きくは落ちず、路面温度が40度に達する中、オプションタイヤのデグラデーション(性能劣化)はタイムには現れない。


 11周目、上位勢で真っ先にピットに滑り込んだのは5番手につけていたハジャル。続いて12周目に4番手プルシェールがピットイン。ただこの2台はプライムスタートのアムーリ・コルデール(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング)の後方でのコース復帰となり、ペースの遅いコルデール攻略でタイムを失う。

2023年FIA F2第10戦ブダペスト 岩佐歩夢(ダムス/レッドブル&ホンダ育成)


 レースも折り返しを過ぎた20周目に暫定4番手につけていた岩佐がピットイン。上位3台より早いタイミングでオプションタイヤに交換を済ませた。岩佐はプルシェールとハジャルの後方、見た目上10番手でコースに復帰。


 燃料も軽くなりつつある中、岩佐は21周目に1分31秒937のファステストを更新し、先行するマシンを追う。22周目に2番手のベスティ、23周目にマルタンスがタイヤ交換を済ませる。


 マルタンスはベスティの眼前でコース復帰も、ベスティが先行。またプルシェールがマルタンスとターン2〜4でサイド・バイ・サイドとなると、プルシェールはターン4でコースオフ。その間隙をついたハジャルが4番手に浮上する。


 トップのドゥーハンは24周目にピットイン。ベスティを6秒先行したままコースへ復帰する。これでドゥーハン、ベスティ、マルタンス、ハジャル、プルシェール、岩佐というトップ6となるが、26周目のターン1〜2でオプションタイヤの岩佐がプルシェールをオーバーテイクし5番手に浮上する。


 ただ、レースも残り10周を迎えた時点でミディアムタイヤに履き替えたトップ3台が自己ベストを更新。岩佐はミディアムを履く4番手ハジャルを追うも先行する4台とのギャップを徐々に縮める。


 30周目、岩佐はハジャルとのギャップを1秒以内まで縮め、31周目のホームストレートでDRSを使用すると、2台はテール・トゥ・ノーズに。岩佐は31周目、32周目、そして33周目のホームストレートでDRSを使用しオーバーテイクの機会を伺うも、なかなかかわすには至らない。
 
 レッドブル育成同士のポジション争いが続く中、6番手のプルシェールまでもが徐々に岩佐の背後に近づく。そうして迎えた35周目、まだハジャルとは3車身以上離れている状況の中、ターン1で岩佐が驚きのブレーキングをみせイン側に飛び込み、4番手に浮上する。ただ、先行する3番手マルタンスまでは14秒のギャップがあり、岩佐の順位浮上はここまでとなる。


 37周目を終え、後続に9秒以上のギャップを築いたドゥーハンがトップチェッカーを受け、今季初優勝を飾った。なお、ドゥーハンはファステストラップも記録している。2位ベスティに、3位にマルタンス、4位に岩佐、5位にハジャル、6位にプルシェール、7位にスプリントレース勝者のハウガーが続いた。


 2023年のFIA F2、次戦となる第11戦は7月28日〜30日にベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで開催される。

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