井上尚弥は「パッキャオより優れている」 伝説アラム氏が米メディアで将来的なライト級挑戦に太鼓判「特別なんだ」

最盛期には「世界最高」とも称された強さを見せたパッキャオ（左）。アラム氏いわく、そんな偉人を井上（右）は越えているという。(C)Getty Images

　井上尚弥（大橋）が見せる異次元の強さに、ボクシング界の伝説的プロモーターも舌を巻く。

　7月25日に東京・有明アリーナで行われたタイトルマッチで、WBC＆WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者のスティーブン・フルトン（米国）を撃破した井上。終始試合を支配しながら8回に右ストレートと左フックでダウンを奪ったシーンは、各国メディアや識者たちを唸らせた。

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　難攻不落の王座に君臨したフルトンに圧勝した井上の規格外さに称賛の声は、いまだ収まらない。そうしたなかで、現地8月11日に米ボクシング専門YouTubeチャンネル『Little Giant Boxing』に登場した米興行大手『Top Rank』のボブ・アラム会長は「イノウエはとてつもないファイターだ」と絶賛した。

　御年91歳になるアラム氏。1960年代から現在まで半世紀近くにわたって数え切れないほどの名勝負を手掛けてきたボクシング界の伝説は、自身が運営する『Top Rank』の契約選手でもある井上を独自の視点で評している。

「イノウエはマニー・パッキャオ以来、いや、おそらくそれ以上の凄まじいファイターだ。私はパッキャオ以上に優れていると思う」

　世界6階級制覇という偉業をやってのけたフィリピンの英雄を引き合いに、日本のモンスターを褒めちぎったアラム氏は、「イノウエは特別なんだ」と断言。そして、「ジュニア・ライト級かライト級には上がるチャンスがあると思う」と、さらなる階級制覇を見通した。

　今月1日にはパッキャオが『Little Giant Boxing』で「これからナオヤが階級を上げていきたいと考えているなら、練習を見てアドバイスをしたり、指導をしてあげたい」と指南役を買って出たことが話題となった。これについて問われたアラム氏は「私はマニーが好きだ」と前置きしたうえで、こう切り返している。

「マニーがボクシングを熟知していることも私は知っているが、彼がいったいイノウエに何を加えるというんだ？ イノウエがパッキャオの力を借りるほど足りないか？」

　アラム氏が寄せ続ける井上への揺るぎない信頼。モハメド・アリ（米国）に始まり、ジョージ・フォアマン（米国）、オスカー・デ・ラ・ホーヤ（米国）、フロイド・メイウェザー（米国）をサポートしてきた御大がここまで絶賛する事実がなによりも“モンスター”の凄さと言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]