世界ラリークロス:シュコダ・ファビア、2019年デビューへ。電動化は2021年に延期

2018年8月23日(木)10時28分 AUTOSPORT web

 リトアニアに拠点を置くESモータースポーツは、シュコダを使用する初のチームとして2019年のWorldRX世界ラリークロス選手権に新開発の『シュコダ・ファビアRXスーパーカー』を投入する計画を明らかにした。


 代表のエルネスト・スタポンカス率いるESモータースポーツは、ここ数年ラリークロスのFFクラスとなるSuper1600にフォルクスワーゲン・ポロを投入してきた。


 今回、チームはその延長線上のプロジェクトとして、チームは最上位クラスへの挑戦を決断。シュコダのR5規定ラリーカーのシャシーをベースに、フランス・オレカ製のラリークロス用エンジンを搭載したWRX(ワールド・ラリークロス)カーの開発を進めてきた。


 2019年シーズン投入予定の『シュコダ・ファビアRXスーパーカー』は、すでに最初のプロトタイプがフランスのヴェゾン・スポールの手によって完成しており、同社代表のクリストフ・ヴェゾンがステアリンングを握る形でシェイクダウンテストが行われ、2日間の初期テストプログラムをノートラブルで終えている。


「ニューマシンの初めてのテストではいくつかのトラブルが発生するのが通例で、ビッグチームでさえ初期トラブルに苦しむものだが、我々は幸運なことに一切のトラブルなく十分なテストを完遂することができた」と、首尾を満足げに語ったヴェゾン。


「しかもヨーロッパ全域を襲った熱波の影響で、外気温は35度以上という過酷な環境下だったにも関わらず、何も問題が起こらなかったんだ」


 先のスタポンカスによれば、このシュコダ初の本格的ラリークロス・スーパーカーのテストは9月中旬に開始される予定となっており、その際には「世界的に著名なレーシングドライバー」にステアリングを託す計画だという。


 しかしESモータースポーツはまだこのプロジェクトにどのようなメンバーが携わっているかを明らかにしておらず、ここからの進捗次第でデビュー時期がずれ込む可能性も指摘されている。


■世界ラリークロスへのEVマシン導入は2021年に延期/2


フランスのヴェゾン・スポールの手によって製作され、オレカ製のRX用エンジンを搭載する
リトアニアのESモータースポーツがプロジェクトを主導し、9月中旬から本格テストを開始する予定
2日間の初期テストプログラムをノートラブルで終えている


 またWorldRXのシリーズを運営するIMGとFIA国際自動車連盟は、2020年を目処に導入を目指していたフル電動ラリークロスカーの登場を、2021年まで延期することで合意。多くのマニュファクチャラーに参入の門戸とプロジェクト調査期間の猶予を与えるべく、参戦意思の申請締め切りを2019年3月29日まで延長するとした。


「我々はモータースポーツの新たな歴史を迎えるエキサイティングな時期にさしかかっている。電気自動車はモビリティのすべての分野でますます重要度を増し、その優位性と楽しさを表現するのに、競技時間の比較的短いラリークロスは最適なフォーマットになる」と語るのは、IMGの上席副社長であるポール・ベラミー。


「2017年6月の最初の正式会合以来、比較的短期間で膨大な量の進捗があった。これから先、まったく新しいタイプのラリークロスカーが考えられ、定義されていくことになる。多くのマニュファクチャラーが参入することにより、新旧のファンによりスリルあるイベントを提供できるだろう」


 このフルEVラリークロスカーは、オレカの供給するフルカーボン製共通モノコックをベースに、F1のKERSやWEC世界耐久選手権、フォーミュラEでも採用実績のあるウイリアムズ・アドバンスド・テクノロジー製のバッテリーを搭載。250kWのモーター2基やマネジメント系統を各マニュファクチャラーが独自に開発することになる。


 そのシャシーに、各メーカーのB〜Cセグメント相当のモデルをベースとしたボディをホモロゲーション取得してEVクラスにエントリーする形となり、独立系チームはメーカーからの供給を受けたり、FIAが用意するベースボディやドライブトレーンを選択して参戦することも可能になるとみられている。

マニュファクチャラーはもとより、STARDのような独立系の企業もEVRXカーの製作を表明
バッテリーは共通品ながら、モーターやマネジメント系は独自開発領域が残る
21年以降も内燃機関RXスーパーカーは並存。EV車両は20年シーズンにテスト参戦枠が設けられる


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