【F1第15戦無線レビュー(1)】DRS圏内から外れても、引き離されずに食らいついたノリス「マックスについていける」

2024年8月29日(木)12時33分 AUTOSPORT web

 2024年F1第15戦オランダGP。今シーズン3回目のポールポジションを獲得したランド・ノリスは、またもスタートに失敗し首位の座をあっけなくマックス・フェルスタッペンに奪われた。しかしノリスはフェルスタッペンについて行き、レース前半にはそのポジションを取り戻すことに成功した。オランダGP前半を無線とともに振り返る


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 前日の雨模様から一転、決勝当日は完全ドライ路面のコンディションで始まった。フリー走行3回目でクラッシュ、マシンを大破させて予選に出場できなかったウイリアムズのローガン・サージェントも、メカニックたちの必死の修復作業でグリッドにつくことができた。


サージェント:マシン修理、どんなに大変だったことか。本当にありがとう。さあ、行こう。
ガエタン・イエゴ:僕ら全員が、君をサポートしているぞ。いい1日にしよう。

2024年F1第15戦オランダGP ローガン・サージェント(ウイリアムズ)


 今季3回目のポールポジションを獲得したランド・ノリス(マクラーレン)は、過去2回同様スタートに失敗。フロントロウのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に先行されてしまう。これまでなら、フェルスタッペンがそのまま逃げ切るところだ。

2024年F1第15戦オランダGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)




7周目
ジャンピエロ・ランビアーゼ(→フェルスタッペン):いい感じだ。左後輪のスライドだけ気をつけろ。


8周目
ノリス:いつものように、いい感じだ。マックスについて行けると思う。まだわからないけどね。


9周目
ウィル・ジョゼフ:誰とレースしてると思う? マックスだけだよね。
ノリス:いや、誰とでもだ。前にいるやつだったら、誰でもだよ。

2024年F1第15戦オランダGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)&ランド・ノリス(マクラーレン)


 9周目の時点で、1.5秒差。ノリスはDRS圏内につけていない。しかしそれ以上引き離されていないことに、むしろ手応えを感じているようだった。


 一方、予選Q2落ちに加えて、他車妨害のペナルティで14番グリッドスタートだったルイス・ハミルトン(メルセデス)は、序盤にふたつ順位を上げる。しかし最高速に優れるニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)を抜きあぐねる。


10周目
ハミルトン:ストレートで遅すぎる。


 そういいながらも、ハミルトンは10周目にようやくヒュルケンベルグをかわして11番手に上がった。

2024年F1第15戦オランダGP ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)&ルイス・ハミルトン(メルセデス)


 12周目以降、首位フェルスタッペンと2番手ノリスの差が、1秒以内に縮まっていった。


14周目
ジョゼフ:プランAがマックスをやっつける最良の方法だと思う。
ノリス:うん。ペースはすごくいい。


「プランA」は、オーソドックスなミディアム→ハードの1ストップ作戦か。一方フェルスタッペンは、マシン挙動の不満を訴え始めた。


フェルスタッペン:ターン10で、全然クルマが曲がらない!


17周目
フェルスタッペン:タイヤの感覚がない。ノーグリップだ。


ノリス:どのプランで行く?
ジョゼフ:タイヤはどうだ?
ノリス:悪くないよ。安定している。


ランビアーゼ(→フェルスタッペン):プランAで行こうと思う。プランAだ。彼(ノリス)がアンダーカットする可能性がある。


 このやり取りの直後、ノリスは18周目のターン1でフェルスタッペンを抜き去り、首位に復帰した。




20周目
ノリス:突然ブレーキが長くなった気がするんだけど、風のせいかもしれない。


ジョゼフ:ブレーキは大丈夫だ。
ノリス:うん。たぶん、風だね。


24周目
フェルスタッペン:これ以上速く走れない。僕のインプットに、クルマが反応しない。


 この時点でフェルスタッペンは、早くも4秒以上引き離されていた。ペース改善の見込みがなく、27周目にピットに向かった。


27周目
ジョゼフ(→ノリス):フェルスタッペンをカバーする。いいな?
ノリス:もちろんだ。


 ノリス陣営もすぐに反応し、28周目にピットイン。5秒先行してコースに復帰した。


 3番手のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が、これで暫定首位に立った。


トム・スタラード(→ピアストリ):クリーンエアになったし、プランAでプラス5周で行くぞ。

2024年F1第15戦オランダGP オスカー・ピアストリ(マクラーレン)


 1回ストップ作戦で、予定より5周スティントを伸ばすという指示。ピアストリは33周目にピットインしたが、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)に先行されて5番手に後退した。あくまで結果論だが、ここまで引っ張る必要はなかったかもしれない。


 逆にルクレールは早めのピットインで、ラッセルへのアンダーカットに成功。6番グリッドから3つ順位を上げて、表彰台圏内にたどり着いた。しかしオーバーステア挙動に手こずっていた。


38周目
ブライアン・ボッツィ:ターン10のオーバーステアを直すのに、それが正しいトグル(ステアリング上のつまみ)だ。
ルクレール:わかってる。僕にかまってくれなくていいから。ターン10は、十分酷い目にあっている。あそこの挙動は、何をやっても最悪だ。

2024年F1第15戦オランダGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)

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F1第15戦無線レビュー(2)に続く


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