日本にはあった「サッカーの肝」 闘将マテウスがドイツ代表の傲慢さを糾弾「日本は仲間のために戦っていた」

2023年9月12日(火)17時19分 ココカラネクスト

まさに過渡期にあるドイツ。日本戦の敗北は彼らにとってあまりに痛恨だった(C)Getty Images

 日本列島を熱狂させ、世界を驚かせた森保ジャパンによるドイツからの快勝劇。その衝撃の余波は、いまだ広がり続けている。

 文字通りの完勝だった。日本代表は1点を先制した19分にレロイ・ザネに同点弾を決められたものの、その後は危なげなく試合を進行。森保一監督が「相手の嫌がることを賢くトライしてくれた」と振り返ったように、攻勢を強めるドイツを冷静にいなし、機を見てはカウンターを発動。終わってみれば、4-1と差をつけ、白星を飾った。

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 本拠地での3連敗は38年ぶりというドイツにとってみれば、痛恨の敗北だったのは言うまでもない。実際、試合からわずか24時間後にはハンジ・フリック監督が「スポーツ面での成功こそが、我々にとって最優先事項だ」(ドイツ・サッカー連盟のベルント・ノイエンドルフ会長談)と解任の憂き目にあった。

 試合後に「失敗だ」(大衆紙『Bild』)とも揶揄された日本戦は、ドイツ国内で大きな波紋を広げた。そして、ついにはレジェンドの逆鱗に触れている。同国代表として5度のワールドカップ出場を誇るローター・マテウスは、衛星放送『Sky』のコラムにおいて、「ドイツが世界最高のレベルでなくなったのは、フリックだけの責任ではなく、主に選手たちのせいだ」と断言。献身さが見られない選手の精神面を手厳しく批判した。

「個々を見れば、クラブではうまくいっている。だが、代表チームには、(ワールドカップを優勝した)バスケットボールの選手たちが見せた情熱がまさに欠けている。私は試合後にすべてが悪いと言う人間ではない。しかし、この1年以上うまくいっていないのは事実だ」

 そう熱弁を振るったマテウス。かつて「闘将」の愛称で、国民に愛され、敵チームから恐れられたドイツの象徴的レジェンドは、「あまりにも穏やかで、ぬるま湯のような状態にあった。チームに新たな火をつけるには、何かが起こらなければならない」と一喝。そして、こう論じてみせている。

「カタールでのワールドカップで躍進したアルゼンチンやモロッコのようなチームは、日本がドイツを相手にしたように、仲間のため、チームために戦っていた。誰か一人だけでも戦わなければ、全体の構造が機能しないんだ。私にとって、フリックが言いたかったであろう『肝』とは、パスゲームとは別にして、お互いのための一体感、規律、コンパクトさ、集中力だ。

 日本戦で誰かが悪いパスを出したり、相手を追いかけなかったりしても、誰も何も言わず、ただ漫然と受け入れていた。なぜリュディガーはゴセンスのミスの後に相手を追わなかったのか。なぜニャブリは2失点目の前に日本の選手を追いかけなかったのか。誰もが自分をスターだと思っているからだ」

 現代表に蔓延る傲慢さや過信を批判したマテウスは、「選手たちには失望させられた」とキッパリ。さらに「今後数年のうちにドイツをドイツらしい立場に導いてくれる代表監督が来ることを願う」とも吐露。あらためて母国の再建を願った。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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