観客の暴徒化で中断したアヤックス対フェイエノールト、27日に無観客で再開決定

2023年9月27日(水)0時6分 サッカーキング

フェイエノールト戦ではアヤックスの観客から花火が投げ込まれる事件が発生 [写真]=Icon Sport via Getty Images

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 エールディヴィジは25日、観客の暴走によって中断となっていた第6節アヤックスvsフェイエノールトの一戦が、現地時間27日の14:00より無観客で行われることを発表した。

 オランダ屈指の名門クラブとして知られる両者の意地とプライドがぶつかり合う伝統の一戦“デ・クラシケル”は、アヤックスのホーム『ヨハン・クライフ・アレナ』にて現地時間24日の14:30にキックオフを迎えた。フェイエノールトは9分にサンティアゴ・ヒメネスのゴールで先手を取ると、18分にもヒメネスがこの日2点目を決め、37分にはイゴール・パイシャオンが追加点をマーク。フェイエノールトが前半だけで3点のリードを奪った。

 だが、アヤックスが3点ビハインドとなったところで事件は発生した。スコアが0−2となった時点でピッチ上へプラスチックのカップが投げ込まれ、試合再開まで数分を要するなど、不穏な空気が漂っていたが、ホームチームが3点ビハインドとなると一部のファン・サポーターが暴徒化。アヤックスの公式声明やイギリスメディア『BBC』の発表によると、スコアが0−3となった直後にホームサポーターの一部がピッチ上へ花火を投げ込んだことが確認されたという。主審を務めていたセルダル・ギョジュビュユク氏は試合を一時中断せざるを得なくなったが、その後試合は再開。しかし、ハーフタイムを経て後半が開始されると、56分頃に花火や発煙筒、照明弾等がピッチ上へ投げ込まれたため、再び試合は中断された。そして、主審および主催者側と地元当局、両クラブやリーグ側による協議の結果、試合はこの段階で正式に中断されることが決定。試合中断後もトラブルは続き、スタジアム外では暴走したファンに対し警察が催涙ガスを使用するといった事態も発生していたようだ。この騒動の影響で、両チームの選手はスタジアムから退出できず、ロッカールームでの待機を余儀なくされたという。

 試合の中断が決まった段階で、エールディヴィジは「この試合を完了するための詳細については後ほど説明する」とのみ発表していた。そして25日、正式な試合の再開日程が決定。KNVB(オランダサッカー協会)とリーグ側の競技委員会によって構成されるプロサッカーリーグ委員会での協議を経て、現地時間27日の14:00より無観客で行われることとなった。エールディヴィジは今回の決断について、公式HPを通して「競技は可能な限り公平であるべきであり、試合の結果はピッチ上で決定されることが望ましい。加えて、試合はできるだけ早く再開されるべきである。これらの考えに加えて、キックオフ時間をアムステルダムの自治体と協議し、今回のような決断に至った」と説明している。

 なお、当初アヤックスは27日に第3節延期分のフォレンダム戦を戦う予定となっていたが、今回の決定に伴い、同試合の開催は延期されることとなった。この決断にアヤックス側は納得しておらず、25日付で「クラブは今回の決断に同意していない。アヤックスの立場からすると、これからは国内だけでなく欧州での戦いも並行してこなすため、“デ・クラシケル”が再開される日程は11月の第1週目が望ましいと考えている。この日程ではKNVBベーカー(オランダカップ)1回戦が行われ、フォレンダムは試合を控えているが、アヤックスとフェイエノールトはシードを得ている」とコメント。現地メディア『NOS』によると、法的措置も視野に入れていると報じられていた。

 しかし、アヤックスは翌日に再び声明を発表。法的措置をとる可能性は消滅したと明かした上で、KNVBと競技委員会の決断に苦言を呈した。

「アヤックスはKNVBに対する法的措置を控えることを決めた。協議委員会がフォレンダム戦の日程を後ろ倒しとし、中断していた“デ・クラシケル”の残りを水曜日の午後に行うと決定したことを踏まえ、クラブは当初法的措置を検討していた。専門家の助言を得て、フォレンダムとも話し合った結果、アヤックスは法的措置を取ることは最善の選択にはならないという決断に至った」

「しかし、クラブはKNVBおよびリーグの競技委員会との面談を希望していることを主張する。なぜなら、今回の決定にはクラブの正当な利益が考慮されておらず、KNVBと競技委員会の手によって規定が自由にコントロールされており、恣意的かつ独断で決定が下される危険性をがあると考えたためだ」

サッカーキング

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