【現役引退】引退を決断するタイミングっていつ?ソフト史上最高の打者・山田恵里と鉄平が体験談を吐露!【独占取材/その4】

2022年10月5日(水)18時5分 ココカラネクスト

 2008年の北京五輪、そして昨年の東京五輪ソフトボールで金メダルを獲得した山田恵里。今季限りでの引退を発表した名手は、その偉大なキャリアを通して何を経験し、感じてきたのか。2009年にパ・リーグ首位打者に輝いた元プロ野球選手の鉄平氏を論客に迎え、「ソフト史上最高の打者」に様々な話を聞いた。締めくくりとなる最終回は、「現役引退」と「切り替え」ついて。歴史に名を残した偉大な打者の言葉に耳を傾けよう。

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ーー山田恵里選手は、先月に今季限りでの引退を発表しましたが、なぜこのタイミングだったのでしょう?

山田 オリンピックが終わったタイミングで、「やりたいのか」「やりたくないのか」が見えてくるのかなと思ったんですけど、終わった瞬間は全く見えなくて、昨年のシーズン終わった段階でも「まだ選手としてやれるな」と思って続けたんですけど、今年に入って「もう選手として突き抜けた結果を出せないんじゃないか」と思ったことと、あとはもう完全に悔いがなく、やりきったと思ったので決断をしました。

ーー鉄平さんが引退したのは7年前ですが、改めて当時の心境を教えてください。

鉄平 やっぱり需要がなくなったのが一番ですよね。それに、最後にちょっと大きめの足の怪我をして、スピードが出なくなった。自分はバッティングとスピードが売りの選手だと思っていたので、その一つが大きく欠けてしまった時に、そこまで現役にこだわる必要はないかなと思いました。プロ野球にこだわらなければ、何か別の道もあったかもしれないですが、考えませんでしたね。思い描いたプレーと程遠いプレーしかできない自分になってしまうのが、もう辛すぎたというか。なので、結構早い段階でしたけども、引退しました。32歳か33歳の頃でした。バッティングでコンタクトすることだけは、最後の2015年にちょっと戻ったんですよ。ただ、今言った通り、足の大きな怪我をして、打ったら足を引きずって一塁まで行くような状態だったので、野球を続ける意味があるのかなと思って引退を決めました。

ーー調子が悪い時はどう対処していましたか?例えば、打てなかった試合の後の気持ちの切り替え方などは?

鉄平 なぜ打てなかったのかを考えて、考えてもどうしようもないところは気持ちを切り替えるために時間を使いますね。次の日には、ある程度気持ちを切り替えなければいけないですが、そのための時間が必要なくらいメンタルにダメージを負う試合はありましたよ。

ーー山田選手は、東京オリンピックの時に気持ちを切り替えて結果を出しました。過去に、そうした切り替えの重要性を感じた経験はありましたか?

山田 あそこまで絶望的になったことはないんですけど、やっぱり打てないと悔しいですよね。試合の中でヒット1本じゃ許せなかったりします。特に20代の頃は、最低でも2の1か、3の2か、それ以上じゃないと嫌だったので、それができなかった時は自分に腹が立っていました。でも、引きずってはいけないので、次の日にもスイングするんですけど、それまでにはしっかりと切り替えるようにはしていました。

ーー経験を重ねたことによる「怖さ」「生かし方」についてはいかがでしょう?

鉄平 生かし方は難しいですけど、怖さみたいなものはありました。僕の場合は、タイトルを獲ったことです。それが自信というよりは、重荷になりましたね。下手なプレーできないというプレッシャーだったり、そういったプラスに働かない存在にはなってました。

山田 東京オリンピックの時は、「こうやったらこういう結果になってしまう」というのが、経験則から見えてしまったんです。ただ、怖いって思う時もあれば、それが自分のプラスになる時もあります。経験してきた内容は変わらないので、それを自分でどう持っていくかで怖さにもなるし、強みにもなるという気がします。

ーー改めて、山田選手は引退する寂しさなどはありますか?

山田 全然さみしくないです。むしろ、毎日やってきたルーティンを早く終わりたいです。

鉄平 4時半起きですもんね(笑)。

山田 そうです。解放されたいです(笑)。

ーー引退までの残り数試合で何を見せたいですか?

山田 特別何をしたっていうのはなく、やっぱり自分のプレーを出し切ることで、見てくださる方々に何か伝わるのかと思っています。変に最後だからって思わずに、普通にやろうと思っています。

鉄平 本当にお疲れ様でした。21年間ですよね。長い間、お疲れ様でした。こうやってお話しするのは初めてでしたけど、オリンピックの時を中心にテレビでよく拝見してましたし、同じ左打ちの外野手として興味深く見させていただいていました。僕なんかより全然すごい選手で恐縮なんですけども、こうやって話す機会をいただいて凄く恐縮ですし、光栄でした。良かったらツイッターとインスタフォローしますので、よろしくお願いします。

山田 私は共通点が結構あったのが凄く嬉しかったです。イチロー選手のことだったり、ルーティンだったり。ルーティンを同じくらい徹底している人ってあんまりいないので。私もツイッターとインスタをフォローさせていただきます。

鉄平 今後って何か決まってるんですか?コーチや監督になられたり?

山田 まだ全然決まってないです。

鉄平 コーチや監督になったら、それはそれで大変ですよね。また、現役の時とは違うものが待ってますので、頑張ってください。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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