浦和を救った関根貴大。逆転で決勝進出の功労者に【ルヴァン杯準決勝】

2023年10月17日(火)17時31分 FOOTBALL TRIBE

浦和レッズ 写真:Getty Images

2023JリーグYBCルヴァンカップの準決勝第2戦が10月15日に行われ、ホームの浦和レッズが横浜F・マリノスに2-0で勝利した。これにより2戦合計スコアが2-1となり、浦和の決勝進出が確定している。
第1戦を0-1で落とした浦和が逆転できた要因は何か。ここでは埼玉スタジアム2002で行われた第2戦を振り返るとともに、この試合で貢献度の高かったMF関根貴大の好プレーについてを中心に解説する。




浦和レッズ DFアレクサンダー・ショルツ 写真:Getty Images

浦和レッズvs横浜FM:試合展開


後半16分、浦和のDF荻原拓也が左サイドからシュート性のボールを相手ゴール方向へ蹴ると、こぼれ球に同クラブのMF早川隼平が反応。同選手がボールをコントロールしようとしたところ、横浜FMのDF永戸勝也にペナルティエリア内で倒され、浦和にPKが与えられた。


浦和のDFアレクサンダー・ショルツのPKは成功。その後もホームチームが攻め込むと、後半42分に荻原が繰り出したパスが、ペナルティエリア内にいた横浜FMのDF實藤友紀の腕に当たる。谷本涼主審によるオンフィールドレビュー(※)を経て、浦和にこの試合2度目のPKのチャンスが巡ってきた。


再びキッカーを務めたショルツがこの重圧に打ち勝ち、自軍に追加点をもたらす。アディショナルタイムに放たれた横浜FMのFW宮市亮の強烈なミドルシュートや、FWヤン・マテウスのクロスをGK西川周作が防いだことで、浦和が決勝への切符を手にしている。


(※)VAR(ビデオアシスタントレフェリー)の提案をもとに、主審が自らリプレイ映像を見て最終の判定を下すこと。




浦和レッズvs横浜F・マリノス、先発メンバー

試合序盤を耐え忍んだ浦和


お馴染みの[4-2-1-3]の基本布陣で臨んだ横浜FMは、前半3分に浦和のハイプレスをいなす。アウェイチームのMF山根陸(2ボランチの一角)が、[4-4-2]の守備隊形で臨んだ浦和の2トップの間にタイミング良く立ち、味方DF上島拓巳からの縦パスを受け取る。その後MF水沼宏太(右ウイングFW)から左ウイングFWエウベルへロングパスが送られると、攻め上がった左サイドバックの永戸がゴール前にクロスを供給。このボールに水沼が反応しシュートを放ったが、浦和陣営にクリアされた。


前半12分の横浜FMの攻撃シーンでは、自陣でボールを保持した上島への浦和MF小泉佳穂の寄せやパスコースの限定が甘く、上島からFW西村拓真(横浜FMのトップ下)への縦パスが繋がってしまう。浦和は岩尾憲と安居海渡の両MF(2ボランチ)の背後を西村に突かれたが、その後関根がボールを回収したことで事なきを得た。


第1戦と同じく、浦和の前線からの守備には綻びが見られたものの、後方の選手たちが耐え忍んだことで勝利を手繰り寄せたとも言えるだろう。


浦和レッズ MF関根貴大 写真:Getty Images

関根が見せた好プレーとは


試合序盤に劣勢に陥った浦和を救ったのは、第1戦で退場処分を受けたDF酒井宏樹に代わり、右サイドバックとして先発した関根。的確な立ち位置で浦和の攻撃の起点となっていた。


基本布陣[4-2-3-1]の浦和は横浜FMのハイプレスに晒されたものの、自陣からのロングパスを駆使し、ボールロストを回避。前半6分にはGK西川から敵陣に立っていた関根へのロングパスが繋がり、同選手から左サイドのDF荻原拓也にも長距離パスが送られる。横浜FMに試合の主導権を握られかけたなかでの良い攻撃だった。


関根のポジショニングが特に活きたのが、前半15分の浦和の攻撃シーン。ここでは右サイドバックの同選手が内側に立ち位置を移し、自陣でボールを受けたセンターバックのショルツをサポート。このときショルツとしては内側に絞った関根と、タッチライン際に立っていたFW髙橋利樹(右サイドハーフ)のどちらにもパスを出せる状況で、横浜FMにとってはハイプレスの的やボールの奪いどころを絞りにくかった。


ショルツからの縦パスを受けた関根がサイドチェンジのパスを繰り出すと、このボールを受けた左サイドバックの荻原がクロスを放つ。ペナルティエリア内にいたFWホセ・カンテのラストパスに早川が反応し、ボールを相手ゴールに流し込んだ。シュートを放った早川の立ち位置がオフサイドポジションと判定され、得点は認められなかったものの、関根を起点とする質の高い攻撃が繰り出されたワンシーンだった。


右サイドハーフの髙橋が内側に立った際はタッチライン際に張るなど、関根の状況に応じたポジショニングは浦和の攻撃のアクセントに。センターバックのショルツがボールを運んだ際には、関根自身は攻め上がらずに守備のリスク管理を担うなど、攻守両面で二手三手先を読むプレーができていた。




浦和レッズ GK西川周作 写真:Getty Images

後半の配置変更も奏功


後半から浦和の選手配置が変わり、基本布陣も[4-2-3-1]から[4-4-2]へ移行。カンテと髙橋による2トップが組まれたほか、小泉が右サイドハーフ、早川が左サイドハーフに移った。


小泉が内側にポジションをとり、同選手の外側を右サイドバックの関根が追い越そうとする構図が、浦和の強力な武器に。後半7分から8分にかけての攻撃シーンでも、センターサークル付近でボールを捌いた小泉のスルーパスに、横浜FMのサイドバック永戸の外側を走った関根が反応しており、惜しい攻撃に繋がっている。サイドハーフの選手の持ち味を踏まえた、関根のポジショニングや走路決めが活きた場面だった。


小泉が交代となり、途中出場のMF大久保智明が右サイドハーフで起用されてからは、関根が内側に立ち位置を移して攻撃に関わる場面がしばしば。タッチライン際でのドリブル突破が持ち味の大久保との役割分担が円滑で、これが試合終盤の浦和の猛攻に拍車をかけた。


ファインセーブを連発したGK西川、果敢な攻撃参加で2度のPK奪取に貢献した荻原、1度目のPK獲得シーンを含め決定機に複数回絡んだ早川、PKを2回とも成功させたショルツ。彼らと同じくらい、今回の勝利に対する関根の貢献度は高かった。

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