ドラフト高卒育成入団は是か非か 進路に大学・社会人を薦める声も

2022年10月31日(月)11時10分 ココカラネクスト

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 10月20日に行われたドラフト会議では、5球団が5位で指名を終えるなど、全体として支配下選手は69人と少なめの指名になりました。

 一方で活況を呈していたのは育成ドラフトです。こちらは12球団から過去最高の57人が指名され、プロ野球人生の第一歩を踏み出すことになります。

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 新聞やネットニュースを見れば、育成ドラフトで指名された選手も喜びにあふれ、明日への希望を高らかに語っています。しかし、その道は必ずしも平坦ではないと、スポーツ紙のアマチュア野球担当記者は証言するのです。

 「厳しい言い方になりますが、育成選手はプロ野球選手とは言えません。確かに背番号は3桁とはいえ、1軍と同じユニホームを着て、豪華な寮で美味しい食事をとって、野球に打ち込める。しかし、ほとんどが数年で戦力外になるという厳しい現実があります。支配下にならないと、1軍の試合には出場できない。特に未来ある高校生ならば、大学や社会人でしっかり鍛えた後、『退職金の前払い』と呼ばれる多額の契約金を手にしてプロ入りした方が、結果的に得策だと考えますね」

 ソフトバンクの千賀(2010年育成4位)、牧原(同5位)、甲斐(同6位)ら、マスコミはどうしても成功例ばかり報じる傾向があります。しかし、背番号2桁と3桁では、入団後に圧倒的な「格差」があるのが、この世界の現実です。

 「一般企業に置き換えれば、支配下選手が正社員、育成選手は契約社員のような関係です。正社員の入社は企業にとってお金をかける『投資』の側面もあるから、当然扱いも手厚くなる。契約社員は雇用面でも不安定なのが否めないでしょう。育成入団の選手に喜んでいる時間なんてない。支配下選手の2倍、3倍は練習しないと、生き残れないでしょうから」(前述の記者)

 多彩な経歴を持つ57人の男たちで、支配下を勝ち取るのは一体誰なのか。そしてその中に未来の千賀や甲斐は含まれているのか。過酷なサバイバルへの道を選んだ若者たちに輝かしい明日が訪れることを、願わずにはいられません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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