F1、雨天時のレースを改善するため調査プログラムを開始。水しぶきと視界についてドライバーへの聞き取りも
2021年11月5日(金)6時9分 AUTOSPORT web

F1とFIAは、将来雨天でのレースを改善する解決策を見出すために、調査プログラムを始動した。
今年の第12戦ベルギーGPは雨のせいで台無しになり、セーフティカー先導で数周を走行しただけで終了となった。これにより、現在のF1マシンが雨天でのレースに適していないことがふたたび明らかになった。
レースが終了となったことから、FIA会長のジャン・トッドは、どのような変更をすれば雨の影響を緩和する可能性があるかF1に調査を行うよう呼びかけた。コースのグリップだけでなく、さらに重要な、F1マシンが大きな水しぶきを立てたときの視界に関してもだ。
月曜日のメディアとのオンライン会議で、F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターのロス・ブラウンは、雨天でのレースに特化した調査プログラムが現在進行中であると述べた。
「雨については、水しぶきと視界についての非常に興味深い調査が開始されている」とブラウンは語った。
「パット・シモンズとFIAのスタッフが、この数戦で一部のドライバーにスパでの経験について話をしてもらっている。特に他のマシンと競い合っていたドライバーたちの全体的な経験についてだ」
「フェルナンド(・アロンソ/アルピーヌ)は非常に興味深い。なぜなら彼は、雨天時のレース能力はスポーツカーに乗っている時の方が、F1マシンに乗っている時より優れていると言ったのだ。ある意味、フロントガラスとワイパーなどがあるためにかなり難しいのではないかと考えるかもしれないが、彼によるとマシンの水しぶきの立て方が違うという」
またブラウンは、2022年に完全に新しいものになるF1マシンの設計によって、ウエットコンディションのトラックでマシンが立てる水しぶきの量は減るはずだと語った。
「新マシンの水しぶきについても研究するつもりだ。我々には、少しは改善につながるかもしれない考えがいくつかある。間違いなくそうした考えを検討し、どのように物事を変えるか見ることになる」
「雨天時のレースにおけるふたつの大きな問題は、視界とアクアプレーニングだ。アクアプレーニングはタイヤの課題だが、あるレベルを超えると解決できない」
「だが視界については我々が改善できる可能性があり、今では検討事項に加わっている。そこに影響を与えて改善できるか確認しているところだ」