「正気の沙汰じゃない」元助っ人メッセンジャーが語る“阪神” 米メディアに告白した10年の想い「マジかよって思った」

2023年11月10日(金)7時0分 ココカラネクスト

メジャーでは鳴かず飛ばずだったメッセンジャー。彼がたどり着いたのが、阪神だった。(C)Getty Images

 今月5日、虎党たちが勝利の美酒に酔いしれた。日本シリーズでは59年ぶりとなったオリックスとの「関西対決」を制した阪神が球団史上2度目の日本一に輝いたのだ。

 最後に日本一となったのは、1985年の吉田義男政権下。そこから38年の時を超え、当時の主力だった岡田彰布監督の指揮の下、パ・リーグ3連覇の絶対王者であるオリックスとの死闘を制して、阪神は悲願の“完全制覇”を成し遂げた。

【動画】伝説の名助っ人! メッセンジャーの阪神時代の投球シーン

 阪神をこよなく愛する人たちが涙ながらに歓喜した。そんな熱狂的な光景は海を越えた話題となり、かつて伝統のユニホームに身を包んだ助っ人たちにも喜びを提供した。

「阪神ファンは正気の沙汰じゃない。もちろんいい意味でね。橋から飛び降りたり、川に飛び込んだり。勝つことに貪欲で熱狂的なんだ」

 米メディア『The Athletic』のインタビューでそう語ったのは、阪神の助っ人史上最長となる10年間も在籍したランディ・メッセンジャー氏だ。

 2010年に「中継ぎ要員」として阪神に加わったメッセンジャー氏は、入団2年目の11年に先発ローテーションに定着。通算98勝(84敗)、防御率3.13、1475奪三振を記録し、計6度の開幕投手を務めた。2014年には13勝を挙げ最多勝を獲得し、絶対的なエース格として活躍したレジェンドだ。

 近年の日本で食文化の代表格とも言えるラーメンを愛し、人懐っこい性格もあってファンから「ランディ」の愛称で親しまれた名助っ人は「最初にカーネルサンダースの像を川に投げ込んだ話を聞いたときは『マジかよ』って思った」と入団当初の思い出を回想。そのうえで、阪神ファンのチームに対する情熱的な愛を「今は誇らしく思えるようになった」と語った。

「僕は彼らの文化に入った外国人だったけど、あの時は呪いの話とかを馬鹿げているって思ったんだ。でも彼らは本当に野球を愛しているんだよ。どんなにチームがひどかろうと、状況に関係なく応援に駆けつけてくれるんだ。だから僕は本当に彼らのことを最高だと思っている」

 引退を決断した2019年には、外国人選手としては異例となるセレモニーが実施された。当時、涙ながらに「日本での10年間は本当に素晴らしく、一生忘れることはありません。タイガース、イチバンデス!」と語っていたメッセンジャー氏は「妻と子どもたちがフィールドにいて、あの経験できたことは、僕にとってかなり特別だった」と強調。そして、阪神でのキャリアをしみじみと振り返った。

「あの黒土の内野ね。ほとんど埃っぽい砂で、ひどいグラウンドだった(笑)。でも、あそこには伝統があって、それが阪神を作り上げているんだ。そして、スタジアム全体が僕の名前を合唱するのを聞くのは最高だった。あの時間は僕にとって最高だった。何よりも最高のファンがいたからね」

 阪神がついに成就させた日本一の悲願。彼らの成功は奮闘した助っ人にとっても、これ以上にない喜びとなっているようだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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