【一生に一度グルメ】大分・別府の明礬温泉で地獄巡り! 1日1000個売れる地獄蒸しプリンをいただく

2025年1月18日(土)10時50分 食楽web


蒸し上げられた名物の地獄蒸し®プリン

●別府温泉郷の中にある明礬温泉の『岡本屋売店』で、「地獄蒸しプリン」と「地獄蒸したまごサンドイッチ」を味わう幸せ。


湯の花を採取する湯の花小屋 ©岡本屋

 1日1000個を販売するという地獄の?プリンを求めて、はるばる出かけたのは大分県の別府温泉。無類のプリン好きの筆者にとっては、どうしても一度食べてみたかったのが明礬(みょうばん)温泉の『岡本屋売店』で販売されている「地獄蒸しプリン」です。

 鉄輪、別府、観海寺、明礬(みょうばん)など八つの温泉地からなる別府温泉郷の中で、最も標高が高いのが「明礬温泉」。この山あいの温泉の売店は、週末ともなると行列必至で、平日でも多くの人で賑わっています。その人気の秘訣を探るべく、明礬温泉に行ってきました。


左:湯の花を採取する小屋。右:現在も採取されている湯の花

 岡本屋売店のある明礬地区は、江戸時代より硫黄やミョウバンと共に湯の花を採取していた地区。世界で唯一ここだけの湯の花小屋が今も残り、国の重要無形民俗文化財に指定されています。またその美しい景色は、鉄輪(かんなわ)地区とともに別府の湯けむり・温泉地景観として国の重要文化的景観にも指定されています。お湯の色は白濁で、硫黄の香りが漂う力強い温泉です。


左:「岡本屋売店」を運営する、明礬の老舗温泉旅館「岡本屋」。右:岡本屋旅館の眩いばかりのミルキーブルーの庭園露天風呂 ©岡本屋

 大人気の売店を経営するのは、創業は明治8年、150年の歴史を誇る「岡本屋旅館」。一度は泊まってみたい憧れの宿で、自家源泉のお湯は青みを帯びた白濁色。このお湯はその美しさから「奇跡のミルキーブルー」と呼ばれています。


赤い屋根が目印の岡本屋売店。店前には湯気がのぼり、期待値でワクワク。敷地に設けている明礬地獄は利用料200円

 この売店の周りは、温泉地ならではの「地獄*」に囲まれていて自然が織りなすダイナミックな景観を見られます。岡本屋の敷地に設けてある「明礬地獄」(200円)売店利用者以外ならどなたでも入場可能。食事の前後に散歩できるのもいい感じです。

*活火山や温泉地などから高温の蒸気や熱湯が噴出する所を地獄と呼ぶ


「明礬地獄」の遊歩道から見下ろす景色も美しい ©岡本屋

カラメルの苦味が際立つ地獄蒸しのプリンと人気のたまごサンドイッチを味わう


山小屋のような作りの店内

入店すると、先に席を取ってから受付カウンターでオーダーするシステムです。店内は山小屋のような造りで、木の温もりを感じる暖かみのある雰囲気。厨房にお邪魔させてもらうと、プリン作りの真っ最中。

 美味しさのポイントはとにかく混ぜることで、大きな泡立て器で丁寧に時間をかけて材料を混ぜていきます。これによって滑らかな食感が味わえるのだそう。


出来立てのプリン

 厨房の横にある蒸し場では、大きなせいろで次々とプリンを蒸していきます。蒸し場の勢いよく上がる蒸気と音の迫力にびっくり。ひとつのせいろには36個のプリンが入り、湯気をまとってとっても美味しそうです。


「名物の地獄蒸しプリン」440円

 さあ、やってきました、名物の地獄蒸しプリン。昭和63年の創業時より変わらぬ製法で提供しているこちら、昔ながらの懐かしいプリンの姿に思わずほっこり。ひと口食べてみると、滑らかな食感とカラメルの苦味が相まってとっても美味しい。カラメルは甘さ控えめでキリリと苦味を感じる大人のプリンです。


「ひとつひとつ丁寧に作っています」とスタッフのミカさん


ボリュームたっぷりの「地獄蒸したまごサンドイッチ」770円

 一緒にオーダーしたのは、食事メニューで一番人気の「地獄蒸したまごサンドイッチ」。地獄蒸しした地元産の新鮮卵をたっぷりと使ったサンドイッチで、厚めのきゅうりが入っています。このきゅうりが実に良いアクセントで、濃厚な卵の中にさっぱりとした風味が加わって爽やか。これは幾つでも食べられそう!


「地獄蒸し塩たまご」1個143円

 他にも、別府発祥と言われている大分名物「とり天」、温泉たまごをのせた「温玉カレーライス」や「温玉うどん」などの食事メニューも豊富に揃います。別府駅から約9km、車なら20分で、この景色と美味しい地獄蒸しプリンが味わえます。近くに行ったらドライブがてら山の売店にぜひ立ち寄ってほしいです。


[食楽web]

●SHOP INFO
岡本屋売店
住:大分県別府市明礬3組
TEL:0977-66-6115(売店直通)
営:8:30〜18:30(L.O.17:30まで、店内利用18:00まで)
休:なし
https://jigoku-prin.com/shop/

●著者プロフィール

矢巻美穂(やまき・みほ)
国内外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマンで、撮影から執筆・編集作業まで行う。単著としてネパール、台湾、ウズベキスタン、韓国、ウラジオストクなどのフォトガイドブックを執筆。近著は『東京で台湾さんぽ』(イカロス出版)。また、YouTubeで「旅ちゃんねる MinMin Tour」をオープン。これまで取材に行って、本当に美味しかった店や行ってよかった人気スポットを紹介。

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