「フードロス削減アプリ」とは? 節約アドバイザーが上手な使い方を解説

2024年2月28日(水)16時16分 マイナビニュース

普段私たちが生活している中でのフードロスの主な原因は、調理されずにそのまま廃棄された「直接廃棄」。作ったものの、食べられず、食べきれずに廃棄された「食べ残し」。食べられる茎や皮の部分などを余分に切る「過剰除去」です。
環境省「食品ロスを減らすために私たちにできること」によると、家庭から発生する食品ロスの量は、4人家族の1世帯で毎年約6万円相当の食品を捨てていると見積もられています。単純計算で、月5,000円分廃棄していることになります。
また、環境省の食品ロスポータルサイトによると、日本では令和3年度に約523万トンの食品ロス(家庭から約244万トン、事業者から約279万トン)が発生したと推計されています。
○「フードロス削減アプリ」とは
フードロスを削減するために、企業と消費者をつなぐアプリやサービスがあり、一般的にはフードシェアリングアプリと言われています。フードシェアリングアプリには2つのタイプがあり、賞味期限が近くなってしまった商品を安く提供する「通販タイプ」とレストランといった飲食店やパン屋さんなど店舗へ直接出向いて安く購入できる「店舗タイプ」があります。
○通販タイプのアプリ
賞味期限が近い商品や、季節商品、規格外の訳あり品が売られており、店頭に並べることができなくなったものです。賞味期限については、「3 分の1ルール」といった食品の流通過程があり、賞味期限を製造者(メーカー・卸)、販売者、消費者の 3 者に3分の1ずつ割り振り、卸から賞味期限の3分の1の時点までに小売りに納品されなかった品物は、メーカーに返品されます。販売者が賞味期限の3分の2の時点で販売できなかった品物は卸に返品されます。
つまり残りの3分の1が、消費者の賞味期限までの期間となりますが、このルールでは賞味期限前の品物が返品され廃棄されている可能性があり、無駄を生じさせていると考えられます。このような商品を取り扱うアプリやWebサイトには以下のようなサービスがあります。
「Kuradashi(クラダシ)」では、食品だけではなく、飲料やお酒、日用品なども販売されています。「自分で作る!フードロス削減BOX」は、3980円以上かつ10キログラム以内で、好きなアイテムを選べます。また、売り上げの一部で社会貢献活動が支援される仕組みです。
「Let(レット)」は、食品の規格外品、見切り品、賞味期限の近い商品など「訳あり」品が売られている食品ロス削減アプリ。会費は無料ですが、ポイント還元率がUPしたり、送料が実質無料となるプレミアム会員もあります。(月間プラン490円、年間プラン4800円)2024年2月現在)。
「WakeAi(ワケアイ)」は、新型コロナウイルスの影響によって事業がそれまでよりも困難になってしまった事業者の商品などを売っています。通常よりも求めやすい価格で「買って応援、食べて応援」でき、フードロスや食品ロス削減にもつながるECモール。
購入前にチェックすべきは残りの賞味期限と、量です。いくら安くても、期限内に食べきれず、食味が落ちてしまえば、廃棄の原因となってしまいます。量と期限が適正かをしっかりチェックしましょう。また、安いからと言って、これまで食べたことも使ったこともなかったものを買う場合は要注意です。少量でお試しであればまだしも、味が思っていたものと違えば、消費までに時間がかかってしまい結果的に処分することになったらムダとなってしまいます。また、大容量や一度に多くのものが届き、使い切るまでに時間がかかり、収納スペースを塞いでしまうと予想されるものは、購入を見送るのが無難です。
購入するなら、使う頻度が高い定番食材や日用品を購入する。例えば食材なら、日常使いできるものや缶詰といった消費期限が長く、非常食にもなるもの。トイレットペーパーやティッシュペーパーといった消耗品を選ぶとよいでしょう。
また、お菓子や飲料、お酒といった嗜好品は、出費が増える原因になりますので、予算を考えながら検討しましょう。
他にも季節商品や期間限定商品、終売アイテムといった、店頭で消えてしまったお気に入りのアイテムに出会える可能性がありますので、そういったアイテムを購入したいときにも覗いてみてもいいですね。
○実店舗を探せるアプリ
アプリを使って近隣の飲食店やパン屋さん、コンビニなどで、廃棄になる予定の食品を安価で提供しているお店を探します。お店は売り上げが立ち、廃棄が減るメリットがあり、消費者は、安価で飲食物が手に入るというメリットがあります。
店舗型アプリには、「TABETE(タベテ)」があります。アプリで、助けを求めているお店の商品を検索して、食べたい食事を見つけたら、取引設定をしてその場で決済します。指定の時間になったらお店へ取りにいきます。ユーザー(食べ手)に登録料や月額料金はかかりません。
また、登録店舗が都内に集中しており、地方はまだ少ない傾向があるので、多くの店舗の参加が望まれるところです。
住まいや会社、最寄り駅に店などに、登録されているお店があれば、お気に入り登録をしておき、「レスキュー依頼」の通知を待つこともできて便利です。
「レスキュー依頼」が多く出る時間帯が17〜18時頃ですので、この時間帯から受け取り時間内に引き取りに行けるのであれば、お得な値段で購入することができます。数量限定なので、人気のお店はレスキュー(SUCCESS)も早い傾向がありますので、レスキュー依頼が来たら早めにレスキューをするとよいでしょう。飲食店のレスキューなら一人暮らしの人が安価で外食気分を味わうことができるたり、自炊をお休みしたいときにも便利に利用できそうです。
しかしレスキューとは言え、無理に必要以上に購入する必要はありません。それも出費には変わりませんし、食べきれなければこれも廃棄の原因になります。できる範囲でレスキューをしてフードロスを削減するお手伝いができたらいいという気分で参加してみてはいかがでしょうか。
企業や生産者と消費者をつないでフードロスを削減する仕組みがウエブサイトやアプリを通じてできるようになってきています。これらサービスを活用して、家計のやりくりにも取り入れつつ、社会全体でフードロスの削減を目指したいものですね。
丸山晴美 外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している この著者の記事一覧はこちら

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