旅は人生を豊かにする。BIGLOBE旅行のサービス企画職を仕事に、趣味では国内外約2,800カ所の夜景スポットを巡る —— 。ワークライフバランスを保つ秘訣
2025年3月19日(水)10時0分 BIGLOBE Style
こんにちは。BIGLOBE Style編集部です。
突然ですが、「好きを仕事に活かすこと」に憧れる方も多いのではないでしょうか?BIGLOBEにも、そんな働き方を実現している社員がいます。
今回ご紹介するのは、宿泊予約サービス「BIGLOBE旅行」を手掛ける傍ら、プライベートでは「新日本三大夜景・夜景100選事務局」の代表を務め、国内外約2,800カ所の夜景スポットを巡る縄手 真人(なわて まさと)。
ラジオ番組や人気バラエティ番組にも出演する彼ですが、どのような経緯でこの活動をするようになったのか、趣味と仕事の相乗効果、ワークライフバランスを保つ秘訣など、いろいろとお聞きしました。
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好き × 得意な仕事をするきっかけ
—— まずは、縄手さんの現在の仕事内容について教えてください。
私が携わっているのは「BIGLOBE旅行」というサービスで、国内のホテル・旅館の価格やプランの比較機能や情報を提供しています。
私の仕事を一言で言うと「企画」なのですが、実際はほぼすべての業務を担当しています。BIGLOBEの主力事業である通信回線サービスは、大きな仕組みの中で分業体制が敷かれていますが、BIGLOBE旅行は少人数で運営しているからです。
そのため、お客さまとの折衝、現場調査、仕様書の作成、プロモーションなど、開発以外の業務はほぼすべて関わってきました。企画したものがどのようにお客さまに届くのかを直接見られる楽しさがあり、やりたいことを形にしやすい環境で仕事ができていると感じています。
縄手 真人(なわて まさと)
リアライズ事業本部 直販営業部 直販第2グループ所属
1997年NECに新卒入社。その後、BIGLOBE事業に参画。
現在、宿泊予約サービス「BIGLOBE旅行」を担当する。
—— 最初、どのようなきっかけで「BIGLOBE旅行」に携わることになったのですか?
私はNECに新卒で入社し、営業やSEを経験しました。その後、中堅社員にさしかかるタイミングでこれからのキャリアを考え、自分の得意分野を活かせるサービス企画職に携わってみたいと考えたことがきっかけです。
当時、BIGLOBEはさまざまな事業を展開しており、その一つにBIGLOBE旅行がありました。私自身、学生の頃から夜景が好きで、社会人になってからも各地を訪れていたため、どうしてもこのサービスに関わりたいと思い、異動希望を出したのです。しかし、最初は希望が叶わず……。
それでも、社内で夜景に関する話をオープンに話していたところ、当時のBIGLOBE旅行部門の方から「あなたの夜景コンテンツを掲載したい」と声をかけられたのです。その後、サイト内に特集ページが作成され、プレスリリースも出すなど広く展開することになり、そのタイミングで改めて「実は旅行事業に携わりたい」と相談したところ、異動が実現しました。
—— 自分自身のことを社内でオープンに話したことで、やりたいことをするきっかけを掴めたのですね! その後、10年以上が経過し、旅行業界やサービスの変化をどのように感じていますか?
以前は、BIGLOBE旅行の大きな強みは価格比較でした。しかし、現在では多くの競合が存在する分野になったため、新たな特徴を打ち出しています。たとえば、すでに予約した宿泊プランよりも安いプランが見つかった場合にお客さまに通知したり、キャンセルが発生した際にお知らせしたりする機能です。
—— 「宿みっけ」ですね。以前もBIGLOBE Styleにて記事にさせていただきました。
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そうです。お客さまから宿泊予約の確認メールを送ってもらうことで、その内容を解析し、よりお得なプランが見つかった場合に通知する仕組みを導入しています。このサービスのポイントは、「どの旅行サイトで予約しても構わないので、旅行会社から届く予約確認メールをBIGLOBEに送ってください」という点です。これにより、お客さまは普段使っている旅行サイトを活用できるので、利用のハードルを下げながらお得な情報のメリットも享受できます。
そして、この機能を導入した背景として旅行業界の傾向の変化があります。
—— どういった変化でしょうか。
お客さまが宿を予約するタイミングが以前よりも早くなってきており、平均すると1カ月半から2カ月前に予約される傾向があります。これはインバウンドの急増などにより人気エリアでは、早期に宿が埋まってしまうことが多いためです。
また早めに予約したあとに、予約の取り直しにより、もっとお得なプランに乗り換えている方がいらっしゃる人が多くなっています。
予約後にお得なプランに乗り換えるためには、日々料金のチェックが必要となるため、この作業をBIGLOBE旅行が代行すれば、お客さまは便利になるだろうと考え、宿みっけを開発しました。
—— 旅行をされる方にはとても良い機能だと思いますが、開発にあたってどのような課題がありましたか?
最も大変だったのは、旅行会社ごとに予約確認メールが異なるフォーマットだったことです。初めは手作業でそのフォーマットを解析しなければならず、非常に手間がかかりましたが、昨年秋にAIを導入し、自動的にメールのフォーマットを読み取るシステムを構築しました。これにより、対応できる旅行会社が大幅に増え、宿公式サイトでの予約もカバーできるようになりました。
—— 「宿みっけ」の導入による成果はいかがですか?
今、利用登録者数は3万3000人ぐらいで、デイリーでも増え続けています。そして、使っていただいている方の大体3割に「安くなった」「もしくはキャンセル待ちで空きました」というお知らせを送っているため、成果も出てきています。
今後は、提案の付加価値を付けていくことを目指しており、たとえば、「プラス2000円出していただくと部屋がオーシャンビューに変わります」とか「部屋食プランにアップグレードできます」といったイメージです。お客さまにとっても宿泊施設にとってもメリットとなるサービスにしていきたいですね。
地域活性化のための夜景ブランド戦略
—— ところで、縄手さんは「新日本三大夜景・夜景100選 事務局」の代表を務めているという一面もありますね。夜景に興味を持ったきっかけは?
私は学生時代、京都の大学に通っていました。当時は学生らしく、女性をどこに連れて行けば喜ばれるのかを考えていて(笑)。田舎でしたので車は持っていたため、「夜景を見に行けば喜んでくれるのではないか?」と思ったんです。
しかし、当時はまだインターネットが普及しておらず、情報を集めるのが大変でした。ガイドブックには有料の展望台やレストランが多く掲載されていましたが、学生の私が求めていたのは「無料で二人きりになれる場所」でした。でも、それがなかったんですよね。そこで「自分たちで探そう!」ということになり、男4人で夜景スポットを開拓し始めたのがスタートでした。
—— そこから、今でも続く活動になっているのはすごいですね。
そうですね。スポットを集めるうちに「学生時代の思い出として書籍にしたい」と思うようになったんですが、自費出版には300万円ほどかかることがわかり、それは厳しいと断念しました。1996年のことだったと思います。BIGLOBEが立ち上がったのもちょうどその頃ですね。
そこで、本がダメなら、CD-Rに写真や地図、コメントを入れてデータ化し、インターネットで販売しようと考えました。こうして関西圏の夜景スポット約70カ所を調査し、ホームページを作って販売を始めて、社会人になった今もいろいろと活動しています。
—— 社会人になると趣味に割く時間がなくなる方も多いですよね。でも、縄手さんの場合は夜景の活動が加速していったようです。
仕事はとても忙しかったのですが、土日があったので趣味の時間はしっかり確保していました。「仕事があるから夜景の活動ができない」と考えたことは一度もなかったですね。むしろ、社会人になってからの方がより積極的に活動するようになりました。
まずは夜景好きのコミュニティを作り、その後、全国の夜景を取材して紹介していくようになりました。その過程で、「後世に残るようなことをしたい」と考えるようになり、夜景による地域の夜の活性化に貢献したく、日本で初めて「夜景のブランディング」という考え方を取り入れたんです。
新日本三大夜景を認定したところ、わずか1年ほどで「夜景スポットとしての集客が増えた」という成果が見えてきました。その実績をもとに、夜景100選の活動に取り組みました。
—— 新日本三大夜景・夜景100選 事務局として活動していく中で、ユニークなエピソードがあればお聞きしたいです。
いろいろありますが、もともと違う名称だったバス停が、ある日突然「夜景100選」の名称を取り入れた名前に変更されていたのは驚きでしたね。しかも、私はそのことを知らず、たまたま通りかかった人がSNSで投稿していて、それを見て初めて知りました。「えっ、そうなったの?」と(笑)。
もちろん、こういう名称の変更に私たちの許可は不要ですし、地域が自ら活用してくれるのはとても嬉しいことです。これは、新日本三大夜景や夜景100選が地域で受け入れられ、活用されている証だと思います。
他にも、夜景100選のフォトコンテストが開催されたことや、駅の看板に夜景スポットが紹介されたこともあります。新たな観光施設を作るのではなく、既にある観光資源をブランディングすることで、低コストでのプロモーションが実現できると考えています。
—— 今まで夜景スポットを2,800カ所訪れたとお聞きしていますが、その中で特にお気に入りの場所はありますか?
そうですね、やはり海外の夜景が印象に残っています。特に好きなのはニュージーランドの南に位置するクイーンズタウンですね。ここには街全体を見渡せる展望台があり、そこからは「昼と夜の景色が同時に見える」という点です。山のふもとに街が広がっていて、太陽の位置によって手前が暗くなり夜景のように見えます。一方で、雪山の部分にはまだ太陽の光が当たっていて、さらにその上に月が出ていたんです。この偶然が重なって、通常の夜景とはまた違った幻想的な景色を見ることができました。
関東圏の人に向けてもう少し有名な場所で言うと、山梨県の「ほったらかし温泉」をおすすめしたいです。
ここは、富士山と東京の夜景を同時に楽しめるだけでなく、温泉に入りながら山梨の夜景を眺めることができるんです。通常、眺望のよい温泉といってもフェンスや柵があって、湯舟に使ったまま景色をことが難しいのですが、ここは山の上にあるので視界をさえぎる柵などがなく、湯船に浸かったまま夜景を楽しめるのが魅力ですね。
—— 現在も仕事をしながら事務局の活動を続けていると思いますが、今後注力したいことや、新たに取り組みたいことはありますか?
夜景巡りは完全にプライベートの活動として行っています。私は夏休みを秋休みに振り替えることが多く、そのタイミングで遠方のスポットを巡っています。ただ、約2,800カ所を訪れたため、新たに行ける場所が少なくなってきました。もちろん、高層ビルが建てば新たな夜景スポットになる可能性はありますが、自然の中の夜景スポットは限られてきます。
そこで、7〜8年前から新しい取り組みとして、日本庭園の紹介を始めました。現在、約1100〜1200カ所を訪れています。
—— なるほど。夜景と同じように、日本庭園も日本独特の文化ですよね。
そうなんです。日本庭園は中国からの影響を受けていますが、日本独自の発展を遂げています。そのため、夜景と庭園は、日本ならではの観光資源としてとても重要だと思っています。ただ、こちらも新しく行ける場所が少なくなりつつあるので、次はどのような取り組みをしようか検討中です(笑)。
仕事とプライベートを両立するには「心の余裕」が大切
—— 仕事とプライベート活動を並行して続けていくのは「大変じゃないの」「どうやって両立しているの?」と気になる人もいると思いますが、実際はいかがですか。
そうですね。ワークライフバランスで大事なのは「心の余裕」だと考えています。
ワークライフバランスというと、フレックス制度や仕事量の調整が必要だと思う方が多いかもしれませんが、私にとって大事なのは「楽しく仕事できるかどうか」です。その楽しさは、「職場に仕事以外の話ができる人がどれだけいるか」に比例すると考えています。
要するに、「どんな人と一緒に働いているか」が重要で、良い人間関係があれば、多少忙しくても心に余裕が生まれ、趣味も楽しめるんです。
特に、BIGLOBEは大きなプロジェクトに向かってチームで動くことが多く、縦割りの文化があまりないんですよね。だから、組織内のコミュニケーションが活発で、居心地がいい環境になっているため、両立がしやすいと感じています。
—— ずばり聞いてしまいますが……転職や独立して、夜景活動一本でやっていこうと考えたことはありますか?
全くないですね(笑)。私はBIGLOBEが好きですし、一緒に働いているメンバーも好きです。
会社員の魅力は、一人ではできないことをチームで成し遂げられることだと思っています。BIGLOBEに向いているのは、「文化祭の準備が楽しいと思える人」だと思います。つまり、みんなで何かを作り上げるのが好きな人ですね。
—— なるほど。BIGLOBEのカルチャーが自分に合っているからこそ、趣味も仕事も持続可能な形で続けられているんですね。
趣味と仕事を両立したい人へのアドバイスとは
—— 趣味が仕事にも良い影響があると感じることはありますか?
はい、大きく二つあります。
一つ目は、ウェブサイトの運営や集客の知識です。私はBIGLOBE旅行の企画・運営に携わる前から個人でウェブサイトを運営していました。約30年間サイトを運営しているので、「使いやすいサイトとは何か」「どうすればお客さまが集まるか」「開発にはどれくらいの工数がかかるのか」といった感覚が自然と身についていました。これは本業にも大いに役立っています。
二つ目は、プレゼンテーション能力の向上です。これまで40〜50回ほどテレビやラジオに出演させていただきました。その経験を通じて、どう話せば伝わるかがわかるようになりました。
たとえば、記者会見やテレビでサービスを紹介する際には、印象に残る「パワーワード」を最初に投げかけることで、質問を引き出しやすくなります。ただ長々と説明するよりも、質問と回答の掛け合いがあるほうが、視聴者にとっても興味深く、編集でカットされにくくなるんです。
—— ただ発信をするだけでなく、「どう伝えたら響くか」を考えながら発信できるようになったんですね。
そうですね。特にBIGLOBEのトラベル事業は分業体制ではなく、企画・開発・運用・宣伝・予算管理まで一貫して行うので、さまざまなスキルが身に付きやすい環境だと感じます。
—— 以前のインタビューで「旅は人生を豊かにする」という言葉が印象的でした。それを強く感じるようになった背景をお聞きしたいです。
私にとって、仕事を楽しくする要素の一つが「どれだけ人と話せるか、楽しく会話ができるか」です。そして、旅をすると、その会話のネタがどんどん増えていくんですよね。
たとえば、誰かと話していて「どこ出身ですか?」と聞いたときに、その土地を訪れたことがあれば、そこから会話が広がります。旅の経験が豊富にあると、共通の話題が生まれやすく、より多くの人とつながれるようになるんです。
旅をすればするほど、コミュニケーションの引き出しが増え、自然と人と話すスキルも向上します。結果的に、新しい出会いが増えて、視野が広がり、自分自身も成長できる。そういう意味で、「旅は人を豊かにする」のだと思っています。
——縄手さんのように仕事と趣味の両立に憧れる人も多いと思います。そうした方に向けてアドバイスをいただけますか?
まず、仕事にしっかり取り組むことが大事です。私は「有給をたくさん取っている」と思われがちですが、実は入社以来、有給は消化しきれずに切り捨てているくらい、予定がなければ仕事をしているのが好きなんです。だからこそ、周りから「仕事より趣味の比重が高いのでは」などと思われることもなかったのかもしれません。職場で「今も夜景の活動を続けているんですか?」とか「最近どこか行きましたか?」と興味を持って聞かれることが多いのも、その姿勢のおかげかもしれません。
もう一つ大事なのは、自分の活動を積極的に発信することです。「私はこういう人間です」というシグナルを出すことで、仕事と趣味の両立に対して周囲の理解を得やすくなります。
また、リアルなコミュニケーションも大切にしています。たとえば、チャットで済むことでも、相手がまだよく知らない人なら直接会って話すようにしています。まず相手の話を聞き、その後に自分のことを少しずつ伝える。そうすると、仕事の場でも趣味の場でも、人とのつながりが深まり、両立しやすくなると感じています。
—— 最後に今後の目標についてお聞かせください。
基本的なテーマは変わらず、「旅は人生を豊かにする」という考えのもと、旅のきっかけを作る活動を続けたいと思っています。
たとえば、「近所の日本庭園が美しかったので、次は京都の庭園も見に行こう」「川崎市役所の展望台からの夜景が綺麗だったから、今度は札幌の夜景も見に行ってみよう」というように、点と点をつなぐような旅の流れを作りたいんです。
それによって、旅をする人自身が豊かになるだけでなく、地域の活性化にもつながると考えています。
—— とても素敵な活動ですね。本日はありがとうございました!
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