【水とペットボトルだけ】鍼灸師が教える心身の不調の整え方。目の疲れや乾き、気分の落ち込みを改善
2025年4月4日(金)12時30分 婦人公論.jp
(イラスト:はしもとゆか)
冬の間、寒さで血流が悪くなり、心身の不調を感じやすくなっていた人もいるでしょう。そんな悩みの改善に効果的なのが、「ペットボトル温灸」。体内の循環をよくしてお悩みを和らげる方法を、鍼灸師が解説します(構成:浦上泰栄 イラスト:はしもとゆか)
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「ペットボトル温灸」とは?解説はこちら
ペットボトル温灸の準備
1)ホット専用のペットボトルを用意
キャップがオレンジ色で、耐熱性のあるホットドリンク専用のペットボトル(350mL)を用意する
2)先に常温の水を入れる
熱による容器破損を防ぐため、はじめに常温の水100mLを注いでおく
3)水の上から熱いお湯を注ぐ
沸騰直前(約95℃)のお湯200ⅿLを水の上から注ぐと、およそ70℃のお湯になる。ぬるくなったと感じたら、お湯を入れ替えて
温灸を行う上で注意したい時間と回数
温灸を行うときに注意したいのが、肌に当てる時間と回数です。時間が長すぎたり、回数が多すぎたりすると、刺激が強く、かえって逆効果になることが。一つのツボに温灸をする時間の目安は3〜4秒くらい、回数は5回までと覚えておきましょう。
ツボの位置が正確にわからなくても大丈夫。ツボをだいたいのゾーン(範囲)でとらえて施術を繰り返すだけでも、十分に効果を得られるのがペットボトル温灸のいいところです。
【ペットボトルの当て方】
細かい部分に当てる場合はペットボトルの底のふちを使う
⚫︎「熱いと感じたら離す」を3〜4回繰り返す
キャップ部分を持ち、ツボのあたりの素肌にペットボトルを当てる。熱いと感じたら、秒数にこだわらず離し、再び当てる。これを3〜4回繰り返す
お悩み別温灸術
[目の疲れ]
原因はテレビやスマホなどによる目の酷使から、首・肩の凝りによる血行不良までさまざま。(1)〜(5)の順に刺激して、元気な目を取り戻して
(1)手三里
ひじを曲げてできるシワから指3本分下。肩凝りや頭痛の解消にも。
ペットボトルの側面または底のふちをツボに当てる→熱いと感じたら離す。3〜4回繰り返す。反対の手も同様に
(2)肩井
大椎と両肩の先端を結んだライン(線)の中間。肩や首の凝り、全身の血流改善に効く。
当て方の要領は(1)と同じ。反対側も同様に
(3)風池
後頭骨の下、首の付け根の左右にある。眼精疲労や血行の改善、自律神経の調整に効果あり。
当て方の要領は(1)と同じ。反対側も同様に
(4)太陽
目尻と眉尻を結んだラインの中央から、親指1本分外側。眼精疲労や頭痛の緩和に。
当て方の要領は(1)と同じ。反対側も同様に
5)目の周り
目の周りのくぼんだ部分に温熱刺激を与える。
アイホールにボトルの底のふちを当て、少しずつ動かす。1周したら反対側も同様に
[目の乾き]
【復溜】
内くるぶしから指3本分上がった場所。むくみを取り、水分の巡りを高める。
当て方の要領は(1)と同じ。反対の足も同様に
[咳]
咳が長びいてなかなか治まらないときは、咳やのどの痛みに効果のある定喘のツボで、症状を和らげて
【定喘】
大椎から、指1本分外側。
ペットボトルの側面をツボに当てる→熱いと感じたら離す。3〜4回繰り返す。反対側も同様に
[気分の落ち込み]
やる気が起きない、理由もなく落ち込む、といった精神的症状のおもな原因は体内のエネルギー不足。気の巡りを整えましょう
【関元】
おへそから指4本分下がった場所。全身の調子を整え、疲労回復、体力増進の効果が。
ペットボトルの側面をツボに当てる→熱いと感じたら離す。3〜4回繰り返す
【腎兪】
背骨から指2本分外側、ひじと同じ高さにあるツボ。水分の代謝を促し、気の流れを整える。
ペットボトルの側面をツボに当てる→熱いと感じたら離す。3〜4回繰り返す。反対側も同様に