人は頭を切り離されたあとも意識があるのか? 科学的に検証された「斬首後の世界」

2023年4月5日(水)7時0分 tocana

 ”死後の意識”といえば、一年半ものあいだ頭を失った状態で生き続けた「首なし鶏マイク」が有名だが、われわれも動物と同じように首を切断された後に意識を保つことができるのだろうか?
 最近では、心臓発作から生還した人の多くが臨死体験を経験する理由は、心臓が停止した後もしばらくの間、脳が活動を続けていることに起因すると考えられている。とはいえ、酸素の供給が止まってしまう以上長くは続かないといわれているが、過去には心肺停止後、30分後に脳活動が確認できたケースもあったとか。そんな素朴な疑問にまつわる2019年の記事を再掲する。


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※こちらの記事は2019年4月27日の記事を再掲しています。


 人間は首を切断された後も意識を保っていられるのだろうか?


 1793年、ギロチンで断頭されたシャルロット・コルデーの顔は処刑後に怒りの表情に変わり、1536年に斬首刑に処されたアン・ブーリンの首は処刑後に何かを話そうとしたと言われている。2人は首を切断された後も意識を保っていたのだろうか? 科学ニュース「Science Alert」(4月25日付)が検証している。


 脳は全身の20%という大量の酸素を必要とする器官である。頚動脈が切断されれば、酸素の供給が止まってしまう。多少の酸素は首を切断した直後も残っているかもしれないが、長くは続かないだろう。


 ただし、眼球や口を動かす筋肉や神経はまだ繋がっているため、それらを動かすことは可能かもしれない。たとえば、動物は頭だけになってもしばらくの間動くことができることが知られている。有名なところでは、20分前に頭を切断された毒蛇が中国人料理人に噛み付いたという話がある。


 ヘビほどではないが、もしかしたら、コルデーもブーリンも断頭後にわずかの間だけ意識を保ち、筋肉を動かすことができていたのかもしれない。


 ところで、最近の研究では人間は心臓が止まり、血液や酸素の循環が停止した後も、脳はすぐには活動を停止しないことがわかっている。そのため心臓発作から生還した人々のなかに臨死体験をする人がいると考えられている。また、心臓停止30分後でも脳活動が見られたケースもあったそうだ。


 トカナでも報じているように、2016年のワシントン大学の研究で、ゼブラフィッシュとネズミの遺伝子は死後も2日ほど活動を続け、ある遺伝子は死後になって活動のピークを迎えることがわかっている。そして2018年の研究では、人間でも同様に死後に遺伝子が活動していることも明らかになった。


 遺伝子が活動しているとはいえ、いわゆる意識はなくなっているだろうが、臨死体験の例などを考えると脳波も検知できない微細なレベルの意識が働いている可能性も否定できないだろう。実際に熟練した瞑想修行者は死後も瞑想状態を維持すると言われている。


 逆に頭を失っても体だけが生き続けたケースもある。「首なし鶏マイク」は首を失った後も18カ月もの間生き続け、ギネスにも登録された。頚動脈が血液でふさがれ、脳幹が無事だったため、生命維持機能は失われなかったのだ。


 


参考:「Science Alert」、ほか

tocana

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