大根1.7倍、ねぎ1.6倍…止まらぬ野菜の高騰!4月の「お買い得」野菜はどれ?

2025年4月9日(水)11時0分 女性自身

4月に入り、加工品をはじめとするさまざまな食品の値上げが相次ぎ、家計を圧迫している。なかでも深刻なのが、止まらない野菜価格の高騰だ。一体、この状況はいつまで続くのだろうか……。


農林水産省が1日に発表した「野菜の生育状況及び価格見通し」によると、4月はトマト、ピーマン、ほうれん草、レタスなどが平年並みの価格で推移する見込みだという。これまで高値が続いていた大根や白菜も、少しずつ平年並みの価格に近づくと予想されている。


これで野菜の価格は落ち着き、ひと安心ーと思うかもしれない。しかし、下がるといってもあくまで「平年並み」まで。平年より安くなる野菜は、指定野菜14品目の中では“なし”となっている。


さらに、まだまだ多くの野菜が平年と比べて高いままなのだ。


「ここしばらくは天候に恵まれたおかげで、野菜全般の生育がよく、出荷量も増えています。供給が増えるため、今後、野菜の値段は全体的に下がっていくと予想されます。ただ、あくまで『平年並みになる』ということで、大幅に下がるわけではありません。これまでの価格が、高すぎたんですよね」


こう話すのは、埼玉県で4店舗を展開するスーパー、「マルサン」の青果担当・板清英樹さんだ。


冬の“キャベツショック”のように、手の届かないほどの値段ではないが……。残念ながら、出費がかさむ状況はまだ続きそうだ。


「ただ、これからの天候次第では、例年より安い野菜が出てくるかもしれません」(板清さん、以下同)


では、この先、各野菜の価格はどのように推移すると予想されるのだろうか。引き続き、板清さんに話を聞いた。


「まず、4月に入って白菜やほうれん草などの葉物野菜の価格が下がってきています。葉物野菜は今後さらに価格が下がり、例年並みに落ち着くと思います。特にレタスは3月末まで1玉200円でしたが、ここからは150円、100円まで下がるのではないでしょうか。ほうれん草、小松菜、水菜の価格も安定してくると思います」


さらに板清さんはトマトや玉ねぎも買いやすくなると話す。


「トマトに関しては、愛知県産以外にも関東産のものが今後市場に出回ることで出荷量が増え、価格が下がると見ています。玉ねぎは、昨年の秋に台風の影響を受けなかったことが幸いして出荷量が安定しており、価格も比較的落ち着くとみられます」


一方で、依然として価格が“高止まり”となる野菜もある。


「この後もしばらく安くなりそうにないのが、大根やにんじんなどの根菜類ですね。


今年は春先まで雪が多く降ったことで、本来の収穫タイミングで掘り出せず、出荷量が減少。価格が上がったままなんです。しばらくは例年より高い価格で推移していくのではないでしょうか」


にんじんは天候に関係なく、例年、今の時季の出荷量が少ない。冬にんじんから春にんじんへ品種が切り替わる「谷間」だからだ。そこに雪の影響まで加わったのだから、ダメージは甚大だ。


「土の中に埋まっているねぎも、にんじんと同じ理由で出荷量が減り、価格が高騰しています。さらにねぎの場合は、冬ねぎが終わって春ねぎが出てくるまでにかなりの期間が空きます。そのため、あと1カ月ほどは市場に出回る量が少なく、価格が高いままだとみています」


さらに、板清さんが価格の動きに注意すべきとするのが豆類だ。


「枝豆やそらまめなどは“お花見需要”でこの時季消費量が増えます。そのため、豆類は出荷量が増えてもこの時季の価格は高いままです。買うなら、桜が散ってからをおすすめします」


ほかの野菜についても、これから価格がどう変化していくのかは表の〈4月の価格予報〉を参考にしてほしい。


また、価格面以外で、「今こそ買い」な野菜はあるのだろうか。


「ズバリ、白菜ですね。価格が下がるだけでなく、今年の白菜は天候に恵まれて巻きがよく、水分量も多いため、甘いんです! 質のよい商品が店頭に並んでいるので、手に取ってみてください」


ここまで野菜の価格についてみてきたが、まだ「激安」とは言い切れない状況。家計と健康のためにも、無駄なく活用したいものだ。


そこで、野菜のコスパを高める調理ワザについて、長年スーパーの青果部で勤務した野菜のプロで、その経験をもとに野菜の知識を発信している「青髪のテツ」さんに話を聞いた。


最初に教えてもらったのは、玉ねぎの調理ワザだ。


「コスパを高めたいのであれば、玉ねぎは、切ってからすぐに調理をしないで、10分から15分ほど時間をおいてください。玉ねぎに含まれる硫化アリルという成分が、空気に触れることで、アリシンという成分が生成されるからです。


アリシンは疲労回復効果が高く、栄養ドリンク剤などにも使われる成分です。抗菌作用や抗酸化作用があり、生活習慣病の予防にもなります。玉ねぎを薄切りにして、空気に触れる部分を増やし、アリシンを増やすのがオススメです」(テツさん、以下同)


切って放置するだけで、通常より栄養素が増すと聞けば、やらない手はないだろう。


■にんじんは皮をむかず油で炒めてがん予防に


では、にんじんはどうだろうか。


「にんじんは、ぜひ油で炒めて食べてください。にんじんに含まれるβカロテンは脂溶性なので、脂質と一緒に摂取すると吸収率がよくなるからです。


生食の場合は吸収率が8%であるのに対し、油で炒めることで、なんと吸収率が70%にまで増えるんです」


βカロテンは体内でビタミンAに変換され、がん予防、免疫力の強化、アンチエイジングなど、健康を保つために重要な働きをする。さらに皮付きで食べれば、より多くの食物繊維やβカロテンを取れるという。


炒めるだけで、値段以上の栄養を取ることができるワザだ。


■大根は米のとぎ汁でゆでると甘〜くなる!


さらに、野菜の味を引き立てるワザもあるのだという。


「大根は、お米のとぎ汁でゆでるとアクがぬけて甘くなるんです。大根を下ゆでする際に、お米もとぐことをおすすめします」


とぎ汁がない場合は、鍋の大根がかぶるくらいの水に、大さじ1の片栗粉や小麦粉を溶くことでも代用可能だ。


「トマトは火を通すのがおすすめ。トマトに含まれるリコピンやβカロテンは、どちらもしっかりとした細胞壁に守られていますが、加熱することによって、この細胞壁が破壊され、吸収効率が大幅にアップするんです」


トマトは生食もおいしいが、これからはスープや炒め物の選択肢も取り入れたいところだ。


「ビタミンが豊富なきのこも、調理の際にひと手間を。きのこに含まれるビタミンDは、油と一緒に取ることで吸収率が上がります。一方、ビタミンBは水溶性です。栄養素を最大限取り入れるには、“炒めてから汁物に入れる”を実践するのが理想的なのです」


ほかの野菜についても、こう呼びかけるテツさん。


「厳しい価格が続きそうなねぎは、ぜひ、緑の部分まで食べてください。太陽にあたって色が緑になっただけで、可食部分です。


価格が大きく下がっているブロッコリーも積極的に食べてほしいですが、洗い方には注意を。つぼみが密集している中に虫が潜んでいることがよくあります。つぼみの部分を下にしてしばらく水につけておきましょう」


価格が下がる野菜も、まだまだ高値が続く野菜も、これらのワザを駆使すればお値段以上の栄養やおいしさが手に入る。


野菜を無駄なく使い、家計を守りながら物価高を乗り越えていこう。

女性自身

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