熊本地震では避難者の“約7割”が経験…「車中泊避難」の“メリット・デメリット”を解説
2025年4月19日(土)6時0分 TOKYO FM+

※写真はイメージです
◆車中泊のメリット・デメリット
熊本地震の発生から今年で9年を迎えました。熊本地震では、2016年4月14日にマグニチュード6.5の1度目の揺れがあり、その28時間後に2度目となるマグニチュード7.3の大きな揺れが町を襲いました。気象庁は、1度目の地震が“前震”、2度目の地震が“本震”であると発表しました。
そんな熊本地震で相次いだのは「車中泊」や「軒先での避難」です。一連の熊本地震では強い余震が続いた結果、建物へのダメージが大きく、多くの人が車中泊や家の軒先で避難生活を強いられることになりました。県のアンケートでは、避難した人の約7割が「車中泊」を経験したと回答しています。また内閣府は、災害による避難者支援の一環として、車中泊向けのスペースを整備するよう自治体に求めています。
災害が起きた際、車のなかでの避難生活も選択肢の1つとして考えている方は、そのメリットとデメリットを理解しておくことが大切です。まずメリットとしては「二次災害の不安が少ない」「プライバシーが守られる」「ペットと一緒に避難ができる」などがあります。
一方、デメリットとして一番懸念されるのは「健康のリスク」で、なかでも起こりやすいのは「エコノミークラス症候群」です。エコノミークラス症候群とは、長時間同じ姿勢を取ることで起きる疾患で、体を動かさずにいると足の静脈に血栓ができて、呼吸困難や動悸が起きる危険があります。
例えば、運転席や助手席のシートを倒して寝たとき、同じ姿勢でいることになるので発症リスクが高まります。そのため「たまに車外へ出て適度な運動をする」「車内で寝るときは足を下げて寝ない」「定期的に水分を摂取する」「ふくらはぎのマッサージをする」などの予防対策が大切です。
◆車中泊の“トイレ対策”
レジャーで使うアイテムは、そのまま車中泊避難に利用できます。これらのアイテムを活用したり、毛布やタオル、アイマスク、使い捨てカイロ、冷却シートなどを常に用意しておき、少しでも快適な環境をつくることがストレス軽減にもつながります。
災害時はガソリンスタンドが閉まっている事態も考えられます。いざというときのために余裕を持って行動できるように、燃料は日頃から満タンにすることを習慣にしておくと良いでしょう。
車中泊で困ることの1つがトイレです。避難所でも、トイレの数不足や衛生管理などが問題になります。車中泊の場合は近くにトイレがない場合もありますが、だからといって水分や食べることを我慢すると、体調を崩す原因になります。必ず携帯用トイレや避難時に使える簡易トイレなどを用意しておきましょう。さらに、ポータブル電源があると安心です。
また、車中泊は事前の準備や知識を得ていないと危険な側面もあります。気をつけるべきことを頭にいれておき、可能であれば、アウトドアの一環として車中泊を経験しておくと、楽しみながら必要な物も明確になるのでおすすめです。災害に備えて心構えをしておきましょう。
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2025年4月12日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年4月20日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:防災 FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25〜8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/