人生の目標も趣味もない40代。一人で生きていく覚悟をすべきですか?
2025年4月21日(月)6時0分 大手小町(読売新聞)
「独身実家暮らし彼氏なし40歳」と題する女性からの投稿が、ユーザー投稿サイト「発言小町」に寄せられました。まもなく40歳になるという会社員のトピ主さん。一人暮らしの経験はあるものの、現在は実家で両親と暮らしており、結婚の予定はないそうです。人生の目標もなく、熱心に取り組んでいる趣味もなく、毎日漠然と過ごしている気がして、どこか寂しい、と心境を吐露し、「独身実家暮らし彼氏なし40歳の女は、一人で生きていく覚悟をすべきなのでしょうか」と問いかけています。

トピ主さんには以前、結婚を前提として交際していた男性がいましたが、38歳の時に別れ、以降は彼氏と呼べる人はいないそうです。婚活パーティーには2度出かけてみたものの、全く合わない人に言い寄られたり、女性の参加者と仲良くなったりして、婚活の成果はなかったとのこと。マッチングアプリにもトライしましたが、「いいね」やメッセージのやり取りが面倒だと思ってしまったと言います。別れた彼氏に未練はありませんが、「今から好きになるかどうかも分からない人と知り合って結婚にたどり着ける気がしません」と明かしています。
投稿には、「もし一緒に家庭を築ける人が出来れば……と、うっすら思いはする」「そもそも私はそこまで結婚願望があるわけでもないので、全く焦る気持ちも湧かず」などといった消極的な思いが並びます。
こうした記述から
そうなるくらいなら、「私の毎日も悪くないな、楽しいな」と思える瞬間を増やすことに目を向けた方が、人生に対して前向きになれる気がします。ささいなことでも「〇〇したい」と思うことを、日々書き留めておきましょう。そして、それらのことを後回しにせず、どんどん行動や実践に移していくのです。
投稿には、「仕事の資格を取ったり、漠然とマンションが欲しいと思ったりするくらい」という記述がありますが、トピ主さんの心の中にある「今やりたいことランキング」の1位、2位がそれであるなら、さっそく資格の勉強やマンションの下見を始めてみてはいかがでしょうか。
人生100年といえども、気力や体力、時間的・金銭的余裕がすべてそろっている時期は限られます。将来の親の介護についての記述も見られますが、トピ主さんの両親はまだ若くて元気とのこと。ならばなおのこと、「今は自分の好きなことができる貴重な時期だ」と考え、小さなことでも、自分の「〇〇したい」を行動に移してみることが、毎日の雰囲気を変える第一歩になるように思いました。
やりたいことをやろうと決めて行動を始めると、「やりたいことをやれる」だけでなく、「人生全体に広がりが生まれてくる」という派生的なメリットがあります。
たとえば、旅先を決めてチケットを買えば、旅行用の服やグッズを買いたくなったり、現地の情報を調べておきたくなったりと、普段のルーティンとは違う衝動が生じますよね。そして旅に出れば、道中や旅先で知り合いができたり、新しい関心事を見つけたりといったことも期待できます。別に「一生のパートナーや友人を作ろう」などと意気込む必要はなく、偶然出会った人たちと心から楽しく会話ができた、なんてことでも、「人生は悪くない」と思うきっかけになると思います。
人付き合いに興味が湧かないならば、自然や街の景色、施設、物、芸術などとの出会いや発見を楽しんでみるのも一案です。たとえば、トピ主さんがマンションを購入しようと思うなら、住みたい街や物件の情報を調べたり、候補エリアに出かけて街の中を探索したり、モデルルームや物件を見学して回ったりといった外出行動が生まれますよね。候補エリアを散策しているうちに、素敵なお店を見つけたり、アートや音楽に触れられたり等々、いろいろな広がりが期待できます。「たまたま入ったお店で素敵な雑貨を見つけた」といった程度のことでも、家で
結婚しようがしまいが、人生は刻々と前に進んでいきます。まずは「今、目の前にある一日をどう過ごすか」に目を向けてみた方が、人生全体に良い流れが生まれてきやすくなるように思いました。
投稿には、「仕事は楽しくやれているものの、最近は大変な時期を迎えている」といった記述があります。最近のトピ主さんがネガティブな心理状態になってしまうのは、仕事の疲れやストレスが影響しているのかもしれません。
心と体は、思っている以上に連動しているもの。気持ちを上向きにするため、体に対してアプローチをしてみるのも一つの方法です。運動を始めるもよし、快眠グッズを購入してみるもよし、食事を変えてみるもよし。楽しんで取り組めそうな健康法やストレス解消法を試してみてはいかがでしょうか。
最後に、「人生はこうであるべき」といった絶対的な決まりはない、ということを頭の片隅に置いておいてください。なんとなく無為に毎日を生きていたって、別に構わないわけです。しかし、他ならぬ自分自身が「無為に生きていたくない」と思うならば、面倒を
「一人で生きていく覚悟」というのは、つまるところ「私の人生はこれでいい、と満足する覚悟」という意味なのだと解釈できます。その覚悟はまだできない、したくないと思うならば、「より良く生きるために行動する努力を続けよう」という決意をすることが、日々に変化を起こすための第一歩になるように思いました。応援しています。(フリーライター 外山ゆひら)