痴漢被害「欠席日数に含めない」児童生徒への対応依頼…文科省
2023年4月21日(金)16時15分 リセマム
内閣府の調査によると痴漢被害は、16歳から24歳の女性の10人に1人が遭遇。2019〜2021年の東京都における検挙数のうち、被害者の4分の3以上(76.9%)が10代・20代の若年層となっている。
「痴漢撲滅に向けた政策パッケージ」は、痴漢対策に取り組むうえでの基本的な考え方とともに、痴漢防止や加害者の再犯防止の取組み、被害者を支える取組み等、今後実施する施策を取りまとめたもの。文部科学省と関係省庁において3月30日付で作成。同日、各都道府県の教育委員会等にも事務連絡を出し、同パッケージの内容を周知している。
事務連絡では、「学校における教育」と「痴漢被害に遭った児童生徒等への対応」について掲載。このうち、児童生徒が通学中に痴漢被害に遭った場合の対応については、遅刻や欠席扱いとすることで不利益を被ることのないよう、校長が認める場合は「欠席日数に含めない」とする対応を依頼。あわせて遅刻についても同様の柔軟な取扱いをお願いした。
また、被害に遭った受験生の受験機会の確保や、ワンストップ支援センターとの連携、学校における相談体制の拡充を依頼。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置や、SNS等を活用した相談体制の積極的な活用を求めている。
会見で永岡桂子文部科学大臣は、「痴漢は重大な犯罪」としたうえで、児童生徒に向け「もし痴漢被害に遭ってしまった場合は、ためらわず、安心できる大人、近所にいる大人に、相談していただきたい」と語った。