平安時代、清少納言も「すてきだわ」と愛でた薔薇。黄色や白もあるけど…【薔薇色】はどんな色のことか知ってる?

2023年4月24日(月)11時31分 マイナビ子育て

【薔薇色(ばらいろ)】とは、あざやかな赤いバラの花のような色のことです。日本の伝統色である【薔薇色】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【薔薇色】とは?

薔薇色とは、赤い薔薇の花を思わせるあざやかなピンク色です。

色の名前 薔 薇 色 読み方 ばらいろ bara-iro 英語 pink、rose color WEBカラーコード #e73275 CMYK  C=0/M=90/Y=23/K=0  RGB R=231/G=50/B=117

※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【薔薇色】の意味と由来は?

【薔薇色】は、薔薇の花の色を思わせるあざやかな赤の色名です。「そうびいろ」または「しょうびしょく」とも読まれます。

植物としての薔薇は、中国から伝わり、平安時代の随筆『枕草子(まくらのそうし)』や歌集『古今和歌集(こきんわかしゅう)』にも多く登場しています。清少納言(せいしょうなごん)は

「さうび(薔薇)はちかくて、枝のさまはむつかしけれど、をかし(薔薇は葉が混みあっていて、枝も勢いよく四方八方に伸びてとげもあるけれど、すてきだわ)」

などという記述を残しています。

このように薔薇の花は古くから親しまれてきましたが、色名としての【薔薇色】は、明治以降に作られたものです。また、薔薇にはさまざまな色がありますが、【薔薇色】という色名は、赤系統の色だけを指しています。

【薔薇色】に合う色は?

薔薇色 ばら いろ  白 練 しろ ねり 

【薔薇色】に合う色のひとつに【白練(しろねり)】があります。【白練】は、練絹(ねりぎぬ・練ってしなやかさをもたせた絹織物)のような白色のことです。

【薔薇色】は、とてもあざやかな色なので、薔薇色を目立たせるためには薄めの色との組み合わせが効果的。【白練】のほかに、淡い緑色の【白緑(びゃくろく)】や緑みのある淡い黄色の【蒸栗色(むしくりいろ)】などとの組み合わせも、明るい【薔薇色】が映え、あたたかみのある配色になります。

一方、【紫黒(しこく)】や【鈍色(にびいろ)】など濃い黒や灰色と組み合わせると、モダンな雰囲気が出ます。

A traditional Japanese color “薔薇 bara” is…

A traditional Japanese color “薔薇 Bara -means rose-” is the color name for a bright crimson color reminiscent of the color of red rose flowers. It is also read as “sobi” or “shobi”.

The rose as a plant was introduced from China, and appeared in the “Makura-no-Soshi” (essays written by Sei Shonagon) and “Kokin Wakashu” (The Anthology of Ancient and Modern Japanese Poetry), both compiled in the Heian period (794-1185). Sei Shonagon left such a description as “The roses are crowded with leaves, and the branches grow vigorously in all directions with thorns, but they are beautiful!” .

Thus, although roses have been popular since ancient times, “薔薇” as a color name was created after the Meiji period (1868-1912). Although roses come in a variety of colors, the color name “薔薇” is limited to red roses only.

まとめ

【薔薇色】は、赤い薔薇の花のようなあざやかで明るい色で、近代になってから作られた色名です。その色のイメージから、色そのものを表すほかにも、「薔薇色の人生」などと、明るく華やかで希望に満ちた状態を表すときにも使われるのが大きな特徴です。

(マイナビ子育て編集部)

参考文献・『色名がわかる辞典』(講談社)・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)

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