悲しい...せっかく正社員になっても“派遣マインド”が抜けない 氷河期世代を採用した職場で起こったこと
2025年4月30日(水)22時41分 キャリコネニュース

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1990年から2000年台は有名大学の学生でも就職難だった。この就職氷河期と呼ばれた世代は現在40、50代になるが、働き盛りの年代なのに年収が少なく、非正規雇用で安定しない、という人達が少なくない。
割と最近まで時代や社会のせいではなく、個人の問題として放置されてきたが、この世代は団塊の世代の次に人口が多いだけに、最近では国全体の問題として捉えられるようになった。
愛知県在住の46歳の女性も氷河期世代だと投稿を寄せた。
「私は大学卒業し唯一内定した地元である地方の零細企業に正社員として入社、30代前半で退職しました」
当時は何十社もエントリーして、数社に面接に行ければいいほうだった。ようやく内定を得ても、激務薄給のブラック企業で退職→転職を繰り返す人も珍しくなかった。(文:天音琴葉)
その後、中途採用に加わった条件とは……
新卒入社した会社を辞めた理由は明かされていないが、「零細企業」という言葉からある程度察することができそうだ。その後、女性は派遣社員で転々とし、「現在は運良く正社員になりました」という。金属部品メーカーのエンジニア職で、年収600万円だと明かした。
この勤務先では、昨今の人材不足から女性と同年代の人を中途採用で積極採用するようになったそうだ。「最初は、自分と同じような境遇の人が正社員になれる機会が増え良かった」と思っていたものの、今は複雑な心境を抱いているようだ。
「入社する中年の中には、非正規雇用経験しかない人も多く、大企業で長年言われた事だけやってきた高学歴もいました。学歴も知識もあるけれど根回しができない、仕事の優先度がバグってるなど中年のおじさんおばさん相手に私や若い社員たちは困ってしまいました。しかも派遣社員だった人は派遣時代のままの考え方で、他の派遣社員の皆さんから苦情までくる有様」
せっかく正社員として採用されたものの、非正規雇用が長いがゆえの弊害が出てしまった。既存の社員が混乱しては、業務が回らなくなるだけでなく、特に若者には辞められる可能性もある。会社としては無視するわけにはいかなかったようだ。
「その後、中途の採用に関しては正社員経験が5年以上が目安として加わりました」
もっとも非正規雇用期間の長い氷河期世代の全てが、投稿に挙げられた状態ではないだろうが、何とも残念な話だ。
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