アスキーアートは手打ちで作れる!?まさかの方法で生み出される「モナー」

2025年5月1日(木)9時0分 おたくま経済新聞


 インターネット掲示板などでかつてよく見たAA(アスキーアート)。文字、数字、記号のみを用いて描かれたイラストは、どのようにして作られていたのでしょうか。
 多くの人はコピペを駆使したり、専用のツールを使ったりしていたようですが……中には1文字1文字打ち込んで、手入力で描く人もいたようです。

■ 日本語で記号を呼び出し、30秒ほどで「モナー」を描く動画が話題
 会社員のかたわらwebライターとしても活動する寺悠迅さん。先日Xに投稿した動画にて、AAを手入力で作成する様子を公開すると、1.2万件超のいいねを集める大反響を呼びました。

 動画内で寺悠迅さんは、Windowsのメモ帳に1つ1つ記号を入力しながら、2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)の有名なキャラクター「モナー」を30秒ほどで描いていきます。
 日本語名称を打ち込んで記号を呼び出し、スペースや改行を駆使して適切な位置に配置していく様子は、驚くほどに手慣れています。

 手入力ならではのたどたどしさはあるものの、入力速度によどみはありません。紙にペンで絵を描くような速度で、ただの記号を「モナー」にしていきます。

 筆者は昔、2ちゃんねるやまとめサイトに入り浸っていたときは、毎日のようにAAを目にしていました。しかし実際に作っている過程を目にするのは初めてで、この動画を見ながら「AAって手打ちで作れるんだ」と思わぬ感動が湧き上がってきました。
 AAは文字記号の集合体ですから、理屈的には手打ちでも問題なくできるはずです。しかし実際に出来上がっていく過程を見ていくと、このシンプルな「モナー」でさえ、かなり細かい計算の上に成り立っていることがわかります。
 動画に添えたコメントで「コピペやツールでいいけど、自分で打ったほうが早いこともあったので諳(そら)んじることもできるよ」と綴っている寺悠迅さん。
 どのようにしてAAを手打ちするようになったのかなど、詳しくお話をうかがってみました。
■ ツールは便利だが「頻出記号は直打ちや変換の方が早い……」
−− AAにはいつ頃から親しんでいるのでしょうか?
 2004〜2006年頃に、2ちゃんねる(当時)のアスキーアート系列板で作品を作って発表していました。
 と言っても、モナーサイズのAAを改変してストーリーを投稿するのがメインで、大きいアスキーアートを作るのは苦手でしたが……。
−− 最初から手打ちでAAを描いていたのでしょうか?
 基本的には『Ascii Art Editor』※というAA作成に特化したテキストエディタを使用していました。
 ※Ascii Art Editorは2002年頃の古いソフトなので、現在の環境では動かすのは難しいです。
−− なるほど、専用のエディタがあるんですね。それで十分な気がしますが……。
 AAでよく使う記号がテンプレで登録されている便利なソフトウェアですが、結局、本当に頻出の記号はキーボードで直に打ったり変換したりした方が早い……と……思うんですよね。多分。
 変換の辞書登録で「もなー」と打てば「( ´∀`)」が出るように設定していたこともあります。

−− 経験がハイテクを上回ってしまったんですね……AAの暗記はどのように?
 そんなことをやってるうちに自然に手癖で覚えました。
−− 投稿された動画ではモナーのAAが描かれていますが、他にも暗記しているAAはあるのでしょうか?
 モナー、ギコ猫辺りの頭身が低めのキャラクターは概ね覚えてます。
 現役だったのが2006年頃までなので、2006年生まれのやる夫・やらない夫辺りになると大分怪しいです。シルエットは勿論わかるものの、AAとしてパーツを全部思い出すのが無理。
−− あの2キャラは形状も少し複雑そうですもんね……ちなみにAAは近ごろはあまり見かけませんが、この手打ちAAを披露する場はあるのでしょうか?
 無いですね!
 あったとしても、アスキーアートはたぶん完成品に需要があるものなので、制作過程に需要は無いんじゃないでしょうか。
 だからこそ、打ち込んでいる様子が物珍しくてここまでご注目いただけたのだと思いますが。
−− 今回の動画をきっかけに手打ちAAに目覚める方に向けて、アドバイスがあればお聞かせください
 ジャンルとしてはドットアートや刺繍に近い面白さです。「(´д`)Edit」みたいな現役のAAエディタもあるので、手打ちなんかにこだわらずやろう!!!
 今の時代なら制作物はスクショしてSNSに公開するのが一番良いと思います!
−− SNSでAAが再流行したら、掲示板とはまた違ったカルチャー・キャラクターが生まれそうで、ワクワクしますね……!

<記事化協力>
The-U.JINE / 寺悠迅(@The_U_JINE)
(ヨシクラミク)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025050101.html

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