専門家オススメ「保険の見直し方」。「別の保険に入り直すときに注意すべきは何より<手順>。絶対にしてはいけないのは…」【2025マネー記事セレクション】
2025年5月10日(土)6時30分 婦人公論.jp
(写真提供:Photo AC)
2024年に『婦人公論.jp』で反響を得た「マネー」に関する記事から、今あらためて読み直したい1本をお届けします。(初公開日:2024年11月23日)
*****「保険に入ろうと思っているけれど、何から手を付けていいかわからない」「保険選びってよくわからないから、誰かに相談したい」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。そんななか「保険は、人生の中でマイホームの次に高い買い物。ムダな保険を見直すだけで大きな節約になる」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんです。そこで今回は、長尾さんの著書『1日1分読むだけで身につく保険の選び方大全100』から、保険選びに役立つアドバイスを一部ご紹介します。
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絶対にしてはいけない見直し方とは
保険を見直して、別の保険に入り直すことがあります。その際は手順に気をつけてください。
いまの保険を解約してから、新しい保険を契約する。これはやってはいけません。
前の保険と次の保険との間に、空白期間ができてしまうからです。その間に大きなトラブルがあったとしても、何の保障も受けられません。
両方の保険料を払うのはもったいないと数千円をケチったばかりに、取り返しのつかないことになりかねないのです。
あるいは、告知や診査で引っかかって、新しい保険に加入できない可能性もあります。先に解約していたら、前の保険にも戻ることができないかもしれません。
保険料がムダになると思っても、必ず新旧の保険期間をダブらせましょう。新しい保険の責任開始を確認してから、古い保険を解約するようにしてください。
また、がん保険には、3ヵ月の待ち期間があります。加入が認められても、この期間は保障がありません。そのため、がん保険は3ヵ月の間、保障をダブらせる必要があります。
<『1日1分読むだけで身につく保険の選び方大全100』より>
見直しの方法(1)払済保険/延長定期
保険を見直す際、新しい保険に切り替える方法もありますが、加入している保険を現状に合わせて変更することもできます。とくに、健康上の問題で新しく保険に入れない人には、告知や診査のいらない見直し方が必要です。
失業したり何らかのトラブルで、保険料を払い続けることが困難なケースもあります。しかし、解約しては、保障がまったくなくなってしまいます。そんなときは「払済保険」や「延長(定期)保険」にすれば、それ以降の保険料を払わずに保障を維持できます。
『1日1分読むだけで身につく保険の選び方大全100』(著:長尾義弘/自由国民社)
払済保険は保険料の払込を中止し、その時点での解約返戻金をもとに保障額の少ない保険に変更することです。保障期間は変わりません。終身保険ならば、保険料の払込なしで、一生涯の保障を得られます。
延長(定期)保険は、解約返戻金を使って、定期保険に変更する方法です。ただ、死亡保険金は同額ですが、保険期間は短くなります。
がんの告知を受け、保険料を支払う余裕がなくなったけれど、死亡保障は残したいといった場合には有効です。
なお、いずれの方法も、特約は消滅します。
<『1日1分読むだけで身につく保険の選び方大全100』より>
見直しの方法(2)増額/減額/変換
いまより保障を増やしたいときは、増額ができます。増額が必要なケースとしては、子どもが大学に入るので、その間だけ定期保険を増やしたいなどが考えられます。
ただし、増額の場合は、告知や診査が必要になります。保険料はその時点での年齢で計算されます。
逆に、減額も可能です。子どもが大学を卒業した、団体信用生命保険に加入したので保障がダブる。こんなときは死亡保障の減額を検討してもいいでしょう。
減額する場合は、告知や診査は必要ありません。保険料は少し安くなります。解約返戻金のある保険なら、一部を受け取れます。
契約の途中で保険の種類を変えることも
また、契約の途中で、保険の種類を変えることもできます。これを変換(コンバージョン)と言います。
たとえば、収入保障保険を定期保険や終身保険に変えられます。
収入保障保険は時間の経過とともに保険金の総額が減っていき、子育て家庭にはピッタリです。
しかし、余命一年などと宣告されたら、保険金が減り続けるのは困ります。そこで、定期保険に変換するのです。
ただ、すべての保険が変換できるわけではありません。加入している保険会社に確認をしてください。
※本稿は、『1日1分読むだけで身につく保険の選び方大全100』(自由国民社)の一部を再編集したものです。
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