ネット依存の児童は虫歯が多い…富山大准教授ら研究「唾液の免疫機能低下や唾液の量が減少」など原因

2025年5月13日(火)15時47分 読売新聞

 ネット依存の傾向がある児童や、家庭内でテレビやゲーム、ネットなどメディア利用のルールがない児童は虫歯が多い——。こうした研究結果を富山大学術研究部の山田正明准教授らが明らかにした。山田准教授は「規則正しい生活を送るだけでなく、ネット利用の時間を家庭で決めることが大切だ」と指摘している。(松本彩和)

 研究では、2018年7〜9月に実施した富山県内の小学4〜6年生1万3413人が対象の生活習慣や健康、家庭環境に関するアンケート調査の結果を分析した。治療中や未治療の虫歯が合計3本以上の児童を「虫歯が多い」と定義し、生活習慣などとの関連を調べた。

 各回答から虫歯の多い児童の割合を算出したところ、家庭でインターネットなどのメディア利用のルールが「ない」と答えた児童では30・3%で、「ある」(23・6%)よりも多かった。

 また、ネットへの依存が「なし」と回答した児童では24・8%と少なかったが、「軽度依存」では31・1%、「依存」では31・6%を占めた。家庭でメディア利用のルールがなく、ネット依存が強い児童ほど、虫歯が多くなる傾向が浮かび上がった。

 男女別に分析すると、男子はネット依存度の高さ、女子は就寝時間の遅さが、虫歯の多い割合とより密接に関連している傾向がみられたという。

 ネット依存が強いほど虫歯が多くなる要因について、山田准教授は、〈1〉ネット依存やゲーム依存の人はジュースや甘い菓子を食べることが多い〈2〉心理的に不健康なため、唾液の免疫機能が低下したり、興奮状態にさらされて唾液量が少なくなったりする〈3〉ネットに時間を費やすため、歯みがきに十分な時間をかけていない——の3点を挙げている。

 山田准教授は「学齢期は乳歯から永久歯に生え替わる時期で、虫歯のリスクが高い状態。歯みがき習慣や規則正しい生活はもちろん、長時間のネット利用をしないことや、家庭でルール作りをすることも虫歯の対策になる」と話している。

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