5月なのにもう夏バテ!モズク、オクラ…九州大学教授が教える「ヌメ活」で対策を

2025年5月22日(木)6時0分 女性自身

5月8日に発表された気象庁の2週間予報では、5月16〜20日の5日間平均気温を、全国的に“かなり高い”と予想。この“かなり高い”とは、10年に一度しか起こらないような著しい高温、というレベルだ。


今年は、3月末に宮崎県や新潟県で真夏日を記録するなど、早い時期から高温となる日が相次いでおり、5月後半はそれが加速しそうな気配に。


「暑さによるダメージがピークを迎える7〜8月の不調というイメージが“夏バテ”ですが、近年では5月中から第1波が来るようになってきています。特に今年は春が短く、例年よりさらに前倒しで、夏バテの症状に悩む人が続出しています」(内科専門医)


夏バテを起こすと、体がだるい、疲れがとれない、食欲不振、寝不足などの症状が出る。こうした不調に陥る背景には、暑さ疲れのひと言では片づけられない、体のさまざまな機能低下があるという。


「暑い気候の下では、水分や塩分の欠乏、自律神経の乱れ、腸の働きの低下などが起こります。さらに、免疫機能の低下や慢性的な炎症なども。これら体の内側で起きている見えない変化が、夏バテの症状に関係しているのです」


こう語るのは、九州大学大学院・食品免疫機能分析学寄附講座の広瀬直人教授だ。広瀬教授によると、暑さ対策はもちろん不可欠だが、毎日の食生活に“ヌメヌメ”“ネバネバ”した食材を積極的に取り入れる「ヌメ活」が、夏バテの予防に効果を発揮するという。


「ヌメヌメした食材が持つ栄養素の働きを活用することで、腸内環境の改善、免疫機能の向上、抗炎症作用、代謝促進などの健康効果を得ることができます。特に、水溶性食物繊維が豊富なミネラルたっぷりのモズク、メカブといった海藻類に含まれる『フコイダン』という成分は、夏バテ対策に高い効果が期待できます」(広瀬教授)


食事によって夏バテを予防・改善できるのなら、夏本番を迎える前に習慣にしておきたいところ。今回は、夏バテ対策になるさまざまな「ヌメ活」食材を広瀬教授に解説してもらった。


「粘り気のある里芋や山芋などには『ガラクタン』という成分が含まれており、便秘の改善、血中コレステロール値低下の効果が。れんこん、オクラ、なめこ、モロヘイヤなどには『ペクチン』という成分が含まれており、便秘改善、血糖値の上昇抑制などの作用があります」


ヌメ活食材はスーパーで手に入るものなので、手軽に始めることができる。また、これらの食材は、それぞれ異なる健康効果を備えており、バランスよく組み合わせて食べることで、免疫力向上や腸内環境改善、抗酸化作用などのメリットをより引き出すことにつながるという。


広瀬教授がおすすめするヌメ活メニューは次のとおり。


■モズク納豆


「アミノ酸、ビタミンB群が豊富な納豆に、モズクに含まれているフコイダンが加わることで、免疫機能が高まり、血糖値の上昇抑制においても、相乗効果が期待できます」


■モズク入り卵焼き


「暑さの厳しい沖縄、石垣島などでよく食べられている夏バテ対策メニューです。タンパク質を補給しながら、ミネラル、ビタミンA、D、Eなどの栄養素もバランスよく取り込めます」


■モズクと山芋だれのそうめん


「すりおろした山芋とモズクはそうめんのつゆと相性バッチリ。食欲増進にもなります。便秘改善の効果も期待できます」


広瀬教授と共に、同大学院で食品免疫機能分析学を研究する宮﨑義之准教授は、食べ方について次のようなアドバイスを。


「ふだんから食べ慣れた料理にヌメヌメ食材を組み合わせてみましょう。たとえば、味噌汁の具材にモズクを入れて食べる。ヌメヌメ食材を日常的に取れるよう心がけると継続しやすいでしょう」


では、ヌメヌメ食材をどれくらい食べれば夏バテ対策になるのか。


「できれば毎食少しずつでも取ることを推奨していますが、1日1食でもOKです。朝食、もしくは夕食時に必ず一品、といったようにルーティン化してください」


ヌメ活の効果は、始めてからどれくらいで出るのだろうか——。


「継続することで、早ければ1週間ほどで体調の変化に気づくことができるでしょう。


1カ月続ければ、腸内環境も改善してきますので、疲れにくくなった、よく眠れるようになったなどの効果を実感できます」(広瀬教授)


“粘り強く”続けることが大切なようだ。ただし、注意点も。モズクのフコイダンは熱に強いが、納豆や山芋などは熱に弱く、加熱しすぎるとヌメヌメ成分が損なわれてしまうので気をつけたい。


駆け足で私たちに襲い掛かる暑さによるダメージを、ヌメ活でシャットアウトしよう!

女性自身

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