普通の人は「時間がない」→読まない。デキる人は「忙しい」→読む。この差は何か?

2025年5月24日(土)21時25分 All About

トップ5%社員の75%は、最も忙しい時期にこそ読書する習慣を持っています。彼らにとって読書は「自分の時間を取り戻す手段」であり、日々の業務に追われる中で立ち止まり、自分と向き合う機会となっているようです。

『AI分析でわかったトップ5%社員の読書術』(越川慎司 著)は、企業で優れた成果を出し続けるトップ層が、どのように読書を活用して成功に結びつけているかを解明した1冊です。
特に注目すべきは、これらハイパフォーマーの75%が「最も忙しい時期にこそ読書する」という習慣を持っている点です。本記事では、なぜ彼らがそこまで読書を重視するのか、その理由と実践法を探ります。

トップ5%社員の75%は忙しいときこそ本を読む

企業で常に好成績を出すトップ5%の社員962名を調査したところ、彼らは年間平均43.2冊の本を読み、63%は35冊以上読んでいることがわかりました。一般のビジネスパーソンの年間平均は2.4冊で、大きな差があります。
さらに、これらトップ社員の75%は「忙しい時こそ読書する」と答えています。なぜ彼らはそこまで読書を大切にするのでしょうか?
読書をしたいができていないビジネスパーソン1.8万人を調査したところ、読書ができない理由の圧倒的1位が「時間がない」でした。全回答者の76%がこう答えているのですから、いかに多くの人が時間に忙殺されているかがわかります。
ビジネスパーソン17.3万人へのアンケートでは、96.4%が「忙しい」と回答。みんな忙しいのです。
ちなみに5%社員は96.1%が忙しいと感じており、全体平均とさほど変わりません。忙しい毎日を送る中で、読書をする余裕がないと感じるのは、5%社員もその他の社員も同じなのです。
そこで、多くの人が「忙しいから読書をしない」という選択をするのは仕方のないことかもしれません。しかし、この忙しさの中で、読書と仕事を切り離していないのが5%社員です。
年に50冊近く読書する5%社員にどのようなときに読書するのかを尋ねると、「時間があるとき」と答える人は24%だけで、「忙しいときこそ読書する」と回答する人が75%もいたのです。「忙しいから読書するのです」と答える人も多数いました。この結果は、その他のビジネスパーソンとは明らかに異なります。

読書は自分の時間を取り戻す手段

その真意を探るべく、5%社員の複数人に個別ヒアリングしたところ、「読書は、自分の時間を取り戻す手段」だと答えてくれました。
日々の仕事に追われ、目の前のタスクをこなすことに必死になっていると、自分自身を見失ってしまいがちです。しかし、5%社員は読書の時間をあえて確保することで、立ち止まって自分と向き合うことができるといいます。
本を通して新しい知識やアイデアに触れることは、仕事への意欲を高めてくれます。
また、著者が創った世界に没頭することで、ストレスから解放され、心に余裕を持つことができると答える人もいました。
「このままの仕事のスタイルではダメなのではないか、何か良い方法があるのではないか」と、読書を通じて改善策を見出そうとする人もいました。彼らは、現状の業務プロセスに何らかの問題があると認識しており、これを改善しなければ残業の連鎖から抜け出すことができないと考えています。

自分の仕事のやり方を見直すきっかけにも

読書は、自分の仕事のやり方を見直すきっかけになります。
目の前のタスクを片付けるだけでは視野が狭くなり、課題解決に時間を要してしまったり、無駄なことに時間を浪費してしまったりします。読書を通じて、自分の仕事を振り返ることで、結果的に時間短縮につながるのです。
仕事の仕組みを見直し効率化を模索するには、他人の経験や知見を学ぶことが有効です。5%社員は、本を読むことを「短期間で他人の経験を吸収する手段」として、非常に効率的な方法だと捉えているのです。
中には、「何のために働いているのか? そもそもどうありたいのか?」を自問するために読書するという人もいました。つまり、内省のツールとして読書を取り入れることによって、問題の本質が見えて、モチベーションが高まるのです。
読書は時間を奪うものではなく、自分自身を取り戻すための有効な手段です。日々の忙しさに追われていると、本当に大切なものを見失ってしまうこともあります。そんなとき、読書は私たちに立ち止まる機会を与えてくれます。
越川慎司 プロフィール
株式会社クロスリバー代表 / 元マイクロソフト役員 / 800社17万人の働き方改革を支援 / 年間300件のオンライン講演・講座を提供 受講者満足度96% / 著書は『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー)シリーズ全5作など31冊。NewsPicksなどメディア出演多数。
(文:越川慎司)

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