【100歳の100の知恵】100歳でひとり暮らし。不安はあっても「人間、なるようにしかなりません」。未来におびえず、今を精いっぱい楽しんで【2025編集部セレクション】
2025年5月24日(土)12時30分 婦人公論.jp
2024年上半期(1月〜6月)に『婦人公論.jp』で大きな反響を得た記事から、今あらためて読み直したい1本をお届けします。(初公開日:2024年02月16日)
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101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが日々の生活のなかで見つけた「幸せに生きる方法」「暮らしのアイデア」「簡単に作れるおいしい料理」は今の時代を生きる上でもヒントがいっぱい。エッセイ集『100歳の100の知恵』(中央公論新社)から吉沢さんの極意を1つずつ紹介します。
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<100歳の100の知恵 87>
『先々を不安に思うより、今を精いっぱい楽しく』
「100歳でひとり暮らしなんて、不安じゃありませんか?」と、よく尋ねられます。もちろん、不安なこともたくさんあります。しかし、人間いつなにがあるかわからないのは、家族がいても同じ。ひとりだから、とりわけ不安というわけではありません。
さすがにこの歳になると、人の助けを借りなくてはいけないこともたくさんあります。甥や姪、友人、知人、ご近所の方など、いろいろな方の支えがあってこその今の暮らしです。
「認知症になったらどうしよう」という声も、よく聞きます。私だって、夜寝られないときなど、なにかしら不安になる日がないわけではありません。
人間、なるようにしかなりません。(写真提供:photo AC)
しかし次の瞬間、「先のことを思い悩むなんてバカらしい」と、自分の不安を打ち消すようにしています。なぜなら、いったんなにかに不安を感じだすとどんどん連鎖的に不安が生まれ、気持ちが後ろ向きになるからです。
人間、なるようにしかなりません。どうなるかわからない未来におびえながら暮らすよりも、今を精いっぱい楽しんで、笑いながら過ごすほうが、ずっと幸せではないでしょうか。
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