「人通りのない峠道で若い男女の車に乗せられた小学生の私。恐怖のあまりに叫ぶと運転手が慌てて...」(鹿児島県・50代女性)
2023年5月25日(木)11時0分 Jタウンネット
シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:Yさん(鹿児島県・50代女性)
50年前、小学校低学年だったYさんは南九州の田舎町に住んでいた。
通学路は人通りが少なく、大型トラックが頻繁に通る峠道。Yさんはある日の帰り、その道の側溝に落ちてしまい......。

<Yさんの体験談>
もう50年近く昔のことです。当時小学校低学年の私は、父の仕事の都合で南九州の田舎町に住んでいました。
自宅は学校から遠い山のほう。通学路は家も人通りも少なく、一方で大型トラックが頻繁に通るような車の多い峠道。ガードレールもない路側帯に沿って、蓋の無い側溝が続いていました。
1台の車が停まり...
ある日の帰り道、私はうっかりこの蓋の無い側溝に落ちてしまいました。
子供の私の肩くらいの深さから這い上がることもできず、落ちた拍子にできた手足の擦り傷も痛みます。幸い水の無い側溝だったので、とりあえず家の方向を目指して泣きながら歩いていました。

その横を何台もの車が猛スピードで通り過ぎていきます。しばらくすると1台の車が少し先に停まり、降りてきた若いお兄さんとお姉さんが、側溝にいた私に声をかけてきました。
その時の会話はもう覚えていませんが、お兄さんお姉さんに引き上げられ、家を聞かれた後にそのまま車に乗せられました。車内には他にもお兄さんがいました。
走りだしてしばらくして、少し落ち着いた私はそこでようやく「知らない人の車に乗ってしまった」ことに気づき、不安でドキドキ。
自宅へ続く細い坂の横を通り過ぎたとき、「誘拐される」と思った私の恐怖はピークになって......。
お兄さんの反応は...
私は「おうち、通り過ぎました!」と叫んでいました。
するとお兄さんが慌てて車をバックさせ、「ここからは大丈夫?」と聞いてくれました。

なんのことはない、本当に人家どころか建物らしいもののない峠の途中なので、家につながる林の切れ目みたいな坂を見過ごしただけだったのです。
でも、子どもだった私は車から降りられた安堵感しかなく、ろくにお兄さんたちにお礼も言えずに別れました。
時々、思い出してはあの時もし助けてもらえなかったらどうなっていたのかなと思います。
あの時の名前も聞けなかったお兄さん、お姉さんたちにありがとうと伝えたいですね。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度〜)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)
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