内野聖陽「PJ~航空救難団~」体を張って限界を超える姿見せる
2025年5月25日(日)6時0分 大手小町(読売新聞)
PJ〜航空救難団〜(テレビ朝日系) 木曜午後9:00航空自衛隊に所属する人命救助のエキスパート「航空救難団(パラレスキュージャンパー=PJ)」の救難員を志す若者たちの前に現れたのは、主任教官の宇佐美(内野聖陽)。訓練を通して自分の限界を超え、無事に全員卒業できるか。

吹雪の山や荒れた海で、“人命救助最後のとりで”となる航空自衛隊航空救難団(PJ)。若者を一人前の隊員に育てるために人生をかける教官、宇佐美誠司を演じる。
撮影前、自衛隊基地で実際の救難団を視察し、救難員たちの本気を胸に刻んだ。「彼らの生き方が清らかで神々しくて、鍛え上げる姿に感動した」。その熱に負けないよう、役に全身全霊を傾けた。
「限界を超えて頑張る姿がカギになる」という。訓練生でも高い身体能力を誇る精鋭。撮影の数か月前から若手俳優と体作りや水泳などの訓練を重ね、1月に1回もできなかった懸垂が、3月には10回近くできるようになった。
救命現場は過酷だ。宇佐美は極限状態の訓練生に水をかけ、強風を吹きつけ、パワハラやシゴキと取られかねない訓練を課す。撮影では自身も“鬼教官”となった。「本気の姿が見えないとお客さんはしらけてしまう。(彼らが)限界を超えていく姿を見せないといけない」。訓練生役に体を鍛えるよう“圧”をかけ、撮影中も運動で疲れさせてからカメラを回してもらった。

一方で、「迷言」を若者につっこまれたり、訓練に冷ややかな視線を注ぐ娘にタジタジになったり——、人間臭い
宇佐美ほどの熱血漢ではないつもりだが、ほぼぶっつけ本番で舞台に立ったり、音楽劇で声が出なくなったりと、数々の修羅場を経験してきた。PJを志す若者の思いは、若手俳優の役者として大成したい思いと重なって見える。
「厳しさの中からつかみ取るものは確実にある。未来を開拓していくパワーを感じ取っていただきたい」。信念と真剣が、まっすぐ伝わった。
Q.出演を決めるまで半年ほどかかったとか。
A.宇佐美というキャラクターを作る際にわからない部分が多かった。監督に(ドラマ「JIN—仁—」を手がけた)平川(雄一朗)さんが入り、面白いものが作れそうだと感じ、ゴーサインを出した。
Q.宇佐美は内野さんと同年代ですが、教官であり、救難現場に出動もする。
A.体を張って学生と
(文・読売新聞文化部 松崎美保/写真・安川純)
プロフィル内野 聖陽(うちの・せいよう)1968年9月16日生まれ。神奈川県出身。数多くの舞台で活躍する。NHK大河ドラマ「風林火山」に主演したほか、TBS系「JIN—仁—」、テレビ朝日系「臨場」、テレ東系「きのう何食べた?」、映画「八犬伝」などドラマや映画の出演多数。