履けば履くほど健康に!?「ビルケンシュトック」サンダル界の殿堂入りマスターピースの新旧名作モデル5選

2024年8月29日(木)8時0分 JBpress

今や運動靴という枠組みを飛び越え、1つのカルチャーとしても世界中で愛されているスニーカー。その魅力である軽快な履き心地と個性豊かなデザインは、一流の革靴を日々の相棒とする読者諸氏をも魅了してやまない。ここでは“本物”を知る大人の男が選ぶべきスニーカーを提案する。

写真=青木和也 スタイリング=泉敦夫 文=TOMMY 編集=名知正登

「足の裏を掻いて笑えば願いが叶う」

 今回のテーマについて、真贋入り混じる現代の集合知ことWikipediaで調べた結果、そんな情報を得た。生まれはアメリカ。尖った頭と吊り上がった目が特徴の子供の姿をした幸運の神で、大阪・新世界は通天閣にある像が著名だという。その名はビリケン……失礼、これは一文字違いの勘違い。

 正しい今回のテーマは、“サンダル界のマスターピース”ドイツ発祥のフットウェアブランド、ビルケンこと“ビルケンシュトック”である。しかしここで、勘違いとは思えない疑問符が浮かぶ。そもそも本連載は“本物”を知る大人の男が選ぶべきスニーカーを提案することを目的ではなかったか? 当然“あえて”だ。

 この夏、例年よりも暑い毎日を過ごし、例年よりも長い盆休みを経て、いま読者諸氏の足は相当に疲れている。そこで効果を発揮するのが同社独自のフットベッド。着用を繰り返すことで足裏の形に応じて形状が変化し、足指によるホールド感や蹴り出しを支援。理想的な体重移動を促すことで体の負担を軽減する。要は、履けば履くほどに歩行時の快適性が増し、健康に近づいていくというハナシ。しかも今回用意した5足は、どれもファッション性をも備えた、間違いなしの新旧の名作たち。

 ちなみに先述のビリケンだが、彼が座る台座部分には“THE GOD OF THINGS AS THEY OUGHT TO BE(物事のあるべき姿を司る神様)”と記されている。超訳するならば“なるようになる”。ビルケンのフットベッドで足裏を刺激しながら過ごせばどうなるか。健康になる? 洒落者と呼ばれる? その答えは、試してみれば自ずと分かるはず。信じるものは救われる。

1. BIRKENSTOCK「Boston Nova」


令和のエッセンスを注入し、現代的でタフな装いにアップデート

 ビルケンのラインアップは2つに大別される。つま先の空いたサンダルタイプと、甲部分が覆われたカカトのないクロッグタイプ。後者を代表するモデルが「ボストン」だ。1976年のデビュー以来、定番名作としてファンたちに親しまれ、ここ日本では1990年代、アメカジ人気からヒッピーファッションが注目された際にブレイクを果たした。

 最大の特徴は、甲全体を覆った丸みのあるアッパー。絶妙なカーブを描くトゥにボトムスの裾を被せて着用すると、健康靴を出自とするとは思えないほど洗練されたムードを醸し出す。

 また最近はZ世代からも支持を集めているようで、かようなアップデートモデルも爆誕した。ナイロンとヌバックのコンビネーションアッパーに、武骨で機能的なバックルを装備。エモいかどうかはさておき、令和の世にふさわしいエッセンスが注入された一足であることは確かだ。

2. BIRKENSTOCK「Tokio」


定番名作「ボストン」にアレンジを効かせたニュースタンダード

 一足目のモデル名からして既にお察しの通り、各モデルには世界中の都市名が付けられている。しかも“名は体を表す”なんて言葉にもあるように、そこから着想を得たディテールが各々の個性を生み出し、着用シーンをイメージさせる入口となっている。

 それで言えば、クロッグサンダルをイメージして1987年に作られた「トキオ」を象徴するパーツが、アンクルストラップであることは間違いない。そしてまた、前出の定番名作「ボストン」との決定的な差異でもある。

 足入れすると分かるのだが、指先が収まったスウェード素材のアッパーには十分な空間があり、微塵の窮屈さも感じさせない。それでいて甲部分とカカト部分をストラップが柔らかく、されどしっかり固定し、安定感のある履き心地へと誘う。かつてジュリーこと沢田研二はトキオを“やさしい女が眠る街”と歌ったが、男の足をやさしく包む靴でもあると知る。

3. BIRKENSTOCK「Kyoto」


名作のシルエットを基に、着物と帯から着想を得た優美なスタイル

 世界に名だたる日本の首都の名を出したならば、次は世界中の人々に愛される西の古都も紹介せねばなるまい。その名は「キョウト」。日本の都市名を冠したモデルとしては「トキオ」以来、実に約34年ぶりの2021年にリリースされて話題となった。

 千年以上にもわたって日本の歴史や文化を継承してきた街、京都から着想を得た本作は、定番のストラップサンダル「チューリッヒ」のシルエットを基に、面ファスナーを使用したストラップをアッパーに配置。着物と帯をイメージしたとも囁かれる優美なスタイルは、足元に大人の品格をもたらすと同時に、足とのフィット感向上にも大きく寄与する。またアッパー素材にスウェードとヌバックレザーを使用することで、履くごとに足へと馴染んでいく一足だ。

 そのモダンなルックスは、それこそ着物の足元にもよく似合うに違いない。

4. BIRKENSTOCK「Shinjuku」


伝統と革新が融合。ストリート×スポーティな新感覚モデル

 摩天楼そびえる新都心、日本有数の歓楽街、世界一の乗降客数を誇るターミナル駅と様々な顔をもつ大都市、新宿。この現代的でスポーティな雰囲気を備えたモデルに付けられた名前でもある。

 アッパーのベースには、これまでも多くのモデルに用いられてきた柔らかくフィットする上質なヌバックレザーを採用。ユーティリティウェアを着想源としたメタル製Gフックバックルと、ウェビングベルトのサイドに施され“BIRKENSTOCK”のデボスロゴが、ストリートな雰囲気を援護射撃。バックストラップの大ぶりなヒールパッドも快適性を保証する。

 当然ソールも、伝統と革新がワンセット。ダイレクトインジェクション製法により一体感を高めたPUアウトソールは柔軟性も高く、コルク素材のフットベッドとの相乗効果でコンクリートジャングルを生き抜くタフな履き心地を生み出す。

5. BIRKENSTOCK「Highwood」


武骨さと繊細さを兼ね備えた、ラギッドなサイドゴアブーツ

 最後のモデルは2023年秋冬、すなわち1年前にデビューしたばかりのニューフェイスである。「ハイウッド」の名は、全米第3の都市・イリノイ州シカゴ郊外の街に由来すると思われる。周辺でもっとも高低差があり樹々に覆われ、シカゴとミルウォーキーを結ぶ鉄道の基地でもあった同地をイメージしてか、ビルケンシュトック=サンダルという常識さえも覆す、武骨なサイドゴアブーツとして誕生した。

 タフな風合い漂うヌバックアッパーに、防滑性に優れ、自然な歩行もサポートするラグパターンを刻んだソールが合体。その一方で、着脱自在で肌にやさしいマイクロファイバーライニングを施した4層構造のインソール、“ディープブルーフットベッド”を搭載するなど、足へと向ける優しさはいまだ変わらず。

 アメカジ再興の兆しもある中、心強い味方となり得る。

筆者:TOMMY

JBpress

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