「秋の花粉症」にはここが注意!間違えやすい症状と食事法を学ぼう

2022年9月29日(木)11時0分 ココカラネクスト

 急に気温が下がり、体調を崩しやすい秋。くしゃみや鼻水などの症状が出ると、まずは風邪の症状を疑うことが多いですよね。もしかすると、それは秋の花粉症かもしれません。

今回は、秋の花粉症の特徴と、花粉症の内側からのケアに役立つ食べ物をご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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1.秋の花粉症

花粉症といえば、春のスギ花粉症が思い浮かびますよね。

しかし、日本ではほぼ一年中花粉症を引き起こす花粉が飛散しており、ブタクサやヨモギなどからくる、秋の花粉症症状が出る人も年々増加しています。(※1)

1‐1.秋の花粉の種類
秋の花粉症の原因となる代表的な植物は、キク科のブタクサやヨモギ、アサ科のカナムグラなどの草です。ブタクサは日本ではスギやヒノキに次いで多い花粉症で、日本で初めて見つかった花粉症とされています。

いずれの植物も河川敷や道端、公園など、私たちの生活圏に多く自生しています。花粉の飛散距離は数メートルで、スギやヒノキなどのように遠くまで飛ぶようなことはありません。

しかし、身近な場所に生育しているため接触する機会は多く、知らず知らずのうちに花粉を浴びてしまう可能性は高いかもしれません。

1‐2.飛散時期
ブタクサやヨモギ、カナムグラの花粉が飛散するのは、8〜10月の夏から秋にかけての時期です。飛散量のピークは9月といわれていますので、この時期はとくに対策が必要といえます。

これらの植物は通勤や通学、散歩などで利用する道に生育していることも多いため、マスクを着用して花粉を吸いこまないようにしたり、草が生えている場所をできるだけ避けたりすることが基本的な対策となります。(※1)

2.秋の花粉症を内側からケアする方法

医学的には「花粉症にいい」といわれる食材を多く摂取しても、劇的に症状が改善することはないと考えられています。食べ物による花粉症の症状緩和の効果は、個人差も大きいようですね。(※2)

しかし、腸内環境を整えて免疫機能を高めたり、粘膜の健康を維持したりする作用のある栄養素を含む食品を取り入れることで、花粉症の対策につながる可能性はあります。

いずれも即効性が期待できるものではないので、毎日の食事で少しずつ継続して食べるといいでしょう。

2‐1.腸内環境を整える「発酵食品」
・納豆、キムチ、ヨーグルト、みそ、酒粕、甘酒など

腸には免疫機能の多くが集まっているとされていて、細菌などのからだに害を及ぼす外敵を排除する仕組みが備わっています。腸内環境を整えることで正常な免疫機能を保ち、アレルギー反応を抑えられる可能性があります。

また、腸内環境が乱れて悪玉菌が増えてしまうと、免疫細胞が過剰に反応し、花粉症などのアレルギー反応を引き起こしやすくなるともいわれています。

納豆やヨーグルトなどの発酵食品には、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が含まれています。善玉菌は、乳酸や酢酸などを作り、腸内を酸性にすることで、悪玉菌の増殖を抑えて腸内の菌バランスを整えるはたらきがあります。

食べ物から摂取した善玉菌は、腸に一定期間腸に存在しますが、定着しにくいとされています。一度にたくさん食べるのではなく、毎日継続して食べることがポイントです。(※3)

2‐2.食物繊維・オリゴ糖を含む食品
・食物繊維を含む食品…きのこ類、根菜類、いも類、大麦、豆類、海藻類、果物など
・オリゴ糖を含む食品…玉ねぎ、ごぼう、にんにく、大豆製品、バナナ、甜菜糖など

腸内に生息する善玉菌を増やすために欠かせないのが、善玉菌のエサとなる食物繊維とオリゴ糖です。

食物繊維のなかでも、とくに大麦などの雑穀や海藻類などに豊富な発酵性食物繊維は、エサになりやすいといわれています。これらを発酵食品と一緒に食べれば、より腸内環境を整えやすくなるでしょう。

また、秋から冬にかけて旬を迎える山芋や里芋にも、水溶性食物繊維が含まれていますよ。

2‐3.ビタミンA(βカロテン)を含む食品
・レバー、うなぎ、卵、にんじん、かぼちゃ、ほうれんそうなど

ビタミンAには、皮膚や粘膜の健康を維持したり、抵抗力を高めたりするはたらきがあります。粘膜の状態が悪くなると花粉が体内に入りやすくなる可能性があるため、ビタミンAを意識して摂ることで花粉症の症状を和らげる効果が期待できます。

野菜の色素成分であるβカロテンは、体内で必要な分だけビタミンAに変換されます。秋に旬を迎えるかぼちゃにも豊富に含まれていますよ。

3.秋の花粉症は風邪と間違えないように注意

秋の花粉症は、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎の症状に加え、咳が出やすいという特徴があるとされています。

ブタクサやヨモギなどの花粉はスギに比べて粒子が小さいため、吸い込むと気管支にまで入り込んでしまい、喘息のような症状を引き起こす場合もあるようです。

秋の花粉症は喉の症状が出ることから、風邪の症状と間違えやすいので注意が必要です。一般的な風邪であれば一週間程度で症状が治まることが多いので、それ以上長引くようであれば花粉症の可能性があるかもしれません。

日常生活に支障をきたす場合は自己判断せずに、薬局での薬剤師への相談や、医療機関の受診も検討してみてくださいね。

4.秋の花粉症対策には漢方もおすすめ(情報提供:あんしん漢方)

内側から花粉症の症状を抑えたい場合は、根本的に体質改善するために漢方薬を活用するのもひとつの方法です。

花粉症の原因として、胃腸機能の低下や水分代謝の乱れによるアレルギー物質の排出困難、冷えや季節の変動による免疫機能の低下などが考えられます。

秋の花粉症改善には、鼻水やくしゃみなどの症状を抑える作用に加え、根本改善のために「からだを温める」「水分の循環をよくする」「消化・吸収機能をよくして抵抗力を高める」といった作用のある漢方薬を選びます。

漢方薬は自然由来の医薬品として、くしゃみや鼻水などのアレルギー性鼻炎や花粉症の治療でも用いられています。副作用も少ないといわれているので、安心して服用できますよ。

<花粉症対策におすすめの漢方薬2種>

・小青竜湯(しょうせいりゅうとう):体力が中程度の方へ
アレルギー性鼻炎や花粉症に悩む方に。眠気の副作用がなく、サラサラした鼻水や痰がでる症状に効果を発揮します。

・苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう):小児や高齢者へ
鼻水がでるアレルギーや咳に悩む方に。小青竜湯を服用すると胃腸が悪くなったり、眠れなくなったりする場合に選択されることがあります。

漢方薬を使うときは、自分の状態や体質に合う生薬を選んでいるかどうか、という点が重要です。合っていないと効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が起こることもあります。

インターネット相談窓口を設けている「あんしん漢方」のようなサービスを利用して、薬効や副作用、漢方薬との相性、日常生活の養生法などを相談してみるといいでしょう。

●あんしん漢方

5.花粉症対策は、内側のケアも大切に

花粉症の対策は、まずはなるべく花粉に接しないようにすることが大切です。そして、腸内環境を整えたり、粘膜の健康維持をサポートしたりするはたらきをもつ食品を継続的に摂ることで、からだの内側からもケアしてあげましょう。
また、根本的な体質改善を目指したい方は、漢方薬の助けを借りるのもひとつの方法です。信頼できる専門家に、一度相談してみてはいかがでしょうか。

参考サイト:
( ※1) 花粉情報サイト「花粉症環境保健 マニュアル 2022」環境省
(※2)「花粉症の民間医療について」厚生労働省
(※3)e-ヘルスネット「腸内細菌と健康」厚生労働省

[文:あんしん漢方]

<この記事を書いた人>管理栄養士 池田明日香

大学卒業後、管理栄養士として治験コーディネーター業務に携わる。その後、食品メーカーにて料理教室運営や商品・メニュー開発などに従事する。食事を楽しむことと健康的な食生活の大切さを感じ、現在は食と健康関連のコラム執筆、オンラインでのダイエットサポートなどで活動中。漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。

<漢方監修>薬剤師 木村 英子

臨床検査技師/Vedic Healers Ayurveda basic course 修了
検疫所、病院にて公衆衛生・感染症現場を経験した後、インドでアーユルヴェーダに出会う
現在はAIを活用し、お手頃価格で漢方を自宅に届けてくれるあんしん漢方にて活躍中

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