もち麦が秘めた健康効果とは?

2022年10月28日(金)17時0分 ココカラネクスト

 コレステロール値の低下や血糖値のコントロールなど、様々な健康効果のあるもち麦。

 白米に混ぜて炊くだけという手軽さから、普段の食生活を変えることなく生活習慣病対策ができる食材として注目されていることを知っていますか?

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もち麦とは?

大麦には「二条大麦」「六条大麦」の2種類があり、一般的に二条大麦はビールや焼酎の醸造用として、六条大麦は麦ごはんや麦茶に使われています。

二条大麦と六条大麦はそれぞれ性質により「うるち性」「もち性」に分類でき、もち性のものをもち麦と呼んでいます。

精麦方法はいくつかありますが、もち麦は主に外皮とぬかにあたる部分を削るだけの「丸麦」という方法で精麦されます。押しつぶしたり、加熱したりしていないため、ぷちぷちとした食感が魅力です。

健康効果が注目され、もち麦の人気が高まっている

もち性特有のもちぷち食感も人気の理由のひとつであるもち麦ですが、これはもち麦が給水率の高いデンプンを多く含んでいることと、粒が割れないように麦を磨く技術で生み出されるものです。

さらに、大麦の健康効果がメディアで多く報道されるようになったことで、大麦市場は2015年度と2020年度で比較して倍以上になるなど一気に拡大しました。特に注目されたのは、様々な健康効果が期待される水溶性食物繊維が他の穀物や野菜と比べて、豊富に含まれていることです。中でももち麦からはうるち性の大麦よりも多くの水溶性食物繊維を摂ることができるのです。

そんなもち麦に期待できる健康効果とは、どのようなものなのでしょうか。

■健康効果の紹介

・もち麦ご飯で悪玉コレステロール値が低下

白米だけを食べたグループと、白米ともち麦を1:1の割合で食べたグループを比較した実験では、もち麦を食べた方のグループは総コレステロール値と悪玉コレステロール値が下がることが分かりました。

もち麦に多く含まれる水溶性食物繊維のβ‐グルカンは、下記の3つの作用でコレステロール値の低下に働きかけます。

・消化過程でコレステロールと結合し排出
・腸管内で脂質の吸収に関与する胆汁酸を吸着し、排泄を促進
・β‐グルカンがエサとなり、腸内細菌から産生される代謝物の短鎖脂肪酸が肝臓に働きかけ、コレステロールの産生を抑制

・もち麦ご飯で内臓脂肪が減少

もち麦に含まれるβ‐グルカンには悪玉コレステロール値だけでなく、メタボリックシンドロームのリスクを高める内臓脂肪を減らす効果もあります。

・もち麦ご飯で血糖値コントロール

食後の血糖値の急上昇は肥満や糖尿病につながるだけでなく、血管にダメージを与えるなどの健康被害が起こる可能性があります。

例えば白米や小麦のみのパンは、「GI値」という食後血糖値の上昇度を示す数値が高いですが、もち麦や大麦を配合したご飯やパンはGI値が低くなることがわかっています。

これは、β-グルカンの作用で栄養素の吸収が遅延するため、糖の吸収もおだやかになり、血糖値の上昇が緩やかになると考えられています。

・もち麦のセカンドミール効果

食物繊維豊富な食事をすると、次の食事の血糖値の上昇も抑えることができそうです。次の食事に影響を及ぼすことから、これをセカンドミール効果といいます。

例えば朝食に食物繊維が豊富なもち麦を食べることで、昼食を食べたあとの血糖値の急上昇も抑えることできるのです。

・もち麦の血圧上昇抑制効果

高血圧の原因のひとつに塩分の摂りすぎがあります。高血圧の予防として、塩分を控えることと塩分を体外に排出することが推奨されていいます。

β-グルカンなどの水溶性食物繊維は、腸内のナトリウムを包みこみ、排出を促す効果があるため、塩分の排出を促し、血圧の上昇を抑えることが期待できます。

また、腸内環境の悪化も血圧上昇の原因になるため、普段から水溶性食物繊維を意識的に摂るなど、腸内環境を整えておくことが重要です。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

<監修者>青江 誠一郎 先生

大妻女子大学 家政学部 食物学科 食物学専攻 教授

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