飲食店は「加熱式たばこ」をどう見ているか 紙巻きとの差は?リアルな意見、聞いてみた

2018年10月30日(火)11時0分 Jタウンネット

2018年6月、東京都受動喫煙防止条例が可決・成立した。東京五輪が開催される20年春の全面施行に向け、これから飲食店やホテル、病院など公共の場での分煙がさらに進むことになる。


一方、たばこ業界に目を向けると、ここ最近存在感を急速に増しているのが「加熱式たばこ」だ。紙巻きと比べて煙やニオイが少ないとされる点など、非喫煙者への配慮にもなると考え、加熱式の切り替えを決める人も多い。


では、非喫煙者と喫煙者が「共存」する場の1つである飲食店側は、普及が進む加熱式たばこをどう見ているのだろうか。Jタウンネット編集部が取材した。


「加熱式たばこならOK」のカフェが生まれたワケ


実はすでに、紙巻きはNGだが「加熱式タバコのみ喫煙OK」という飲食店も登場している。記者はそのうちの一つ、東京・渋谷にあるカフェバーを取材した。ここでは約200席のうち20席程度を、加熱式のみ喫煙可能な席としている。


担当者によれば、もともと屋内は全面禁煙(屋外に喫煙所あり)にしていたが、「やはりたばことお酒を一緒に楽しみたい」という顧客の声を取り入れるべく、「加熱式なら...」と考えて屋内に専用席を設けた。


とくにパーテーションなどの仕切りは設けていないが、ニオイについては全面禁煙時とほとんど変わらないという。最初は、紙巻きもOKな形での屋内分煙にしたかったとのことだが、壁で区切らないとどうしてもニオイが残ると分かり、コストも考えて加熱式たばこだけでの屋内分煙を実施した。


この施策によって、客足に大きく変動したワケではないというが、喫煙客のニーズに応えたことは確か。これまで、店を訪れる非喫煙客から苦情が寄せられたこともほとんどないという。


もう1店、都内で20席程度の居酒屋(分煙せず)を経営する男性に話を聞くと、確かに加熱式たばこを吸う客が増えた実感があるという。その上で、「煙の量は、やはり紙巻きの方が多いですね」などと話していた。


喫茶チェーンの対応は


チェーン店の対応はどうなのだろう。Jタウンネットでは今回、計5社の喫茶チェーン運営会社に対し、分煙事情や加熱式たばこへの対応について見解を求めたが、回答があったのは2社どまり。


「サンマルクカフェ」で知られるサンマルクホールディングス(岡山市)と、「カフェ・ベローチェ」を運営するシャノアール(東京都豊島区)である。ただ、現状では両社とも、加熱式たばこに関する特別な対応はとっていないという。


また、18年6月公表の「顧客満足度指数ランキング」のカフェ部門で1位を獲得した「カフェ・ベローチェ」(運営・シャノアール=東京都豊島区)は、パーテーションやエアーカーテンを利用した開放感のある独自の分煙システムの整備が進んでおり、全国195店舗中174店舗で分煙化が完了しているという。


また、サンマルクホールディングス(岡山市)の担当者は、同社チェーンでの分煙事情について、


「基本的には完全分煙で対応しておりますので、一部の禁煙店舗(ショッピングセンター内の店舗など)が例外的に存在しているくらいです。分煙(完全分煙も含めて):禁煙=9:1くらいになると思います」

との回答が。今後、東京都の「分煙条例」にどう対応するかについては、複数の方向から検討しているが、まだ確定はしていないという。


都内を中心に、これから大きく様変わりするだろう飲食店や喫茶店での喫煙事情。その中で、普及が進む加熱式たばこは、どのような位置に落ち着くのだろうか。上述したカフェバーのような取り組みが、今後チェーン店にも波及することはあるのか。今後も注視したい。

Jタウンネット

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