「世界一の近親相姦ファミリー」コルト一族の陰惨な生活! 性虐待と遺伝性疾患と……

2023年11月6日(月)12時0分 tocana

 近親者の間で“産めよ増やせよ”を繰り返した結果、40人もの子供を抱えて暮らす一家がいる——。その暮らしぶりば“健康で文化的”とは程遠いものであった。


■40人の子供を抱えた近親婚一家


 ネットの普及によってそれまで隠されてきたことが続々と可視化される時代を迎えている。


 オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の奥地でひっそりと暮らしていた近親婚一家の存在が2012年に“発見”され、彼らは「コルト一族」と名づけられた。


 コルト一族は世界で最も近親交配した家族として知られており、それまでは水や電気もない粗末なテントの中で孤立して暮らしていたのだった。


 4世代の家族によって構成されていた一族は40人の子供たちを抱えており、全員が少なくとも1人の親族から性的虐待を受けたのではないかと考えられている。


 彼らの家系図はこれまでに見たことのないもので、家長のティムは自分の子供たちの父親であるだけでなく、祖父母の子供たちの父親であると信じられている。彼の妻であるジューンも兄妹(きょうだい)関係の娘で、マーサ、フランク、ポーラ、チェリー、ロンダ、ベティ、チャーリーという7人の子供がいる。


 2012年に警察が“発見”した時、顔の変形、言語障害、そしてひどい衛生状態に晒された12人の子供が保護された。 彼らは読み書きができず、重度の栄養失調で、糞尿の入ったバケツの隣で眠っていたのだ。調査員は1人を除いてすべてが近親婚の子供であることを確認した。


 当時の報告書によると、彼らは配管や水道のない粗末な小屋、テント、キャラバンに約20匹の犬とともに住んでいたという。“コミューンスタイル”の生活様式でシャワーはなく、若いメンバーはトイレ、歯ブラシ、トイレットペーパーの使い方を知らなかった。


 子供たちの多くは足を引きずって歩き、理解できない言葉で話し、読み書きができなかった。彼らは薄汚れていて恥ずかしがり屋で、目を合わせることができず、真菌感染症や虫歯に悩まされていた。


■豪州史上最悪の近親相姦事件


 実は警察の“発見”に繋がったのはまったくの偶然によるものであった。


 一家の子供たちはめったに学校に通うことはなかったのだが、珍しく登校した子供の1人が放課後に遊び仲間に、今姉が妊娠しているがその父親がどの兄なのかわからないと話したことがきっかけで周囲に知られ、遂に警察が動いたのだった。


 警察による家宅捜査でまず最初に5歳から12歳までの子供たちを保護したのだが、これらの子供たちが定期的に性的虐待を受けており、その中には近親婚による遺伝的な疾患を抱えた子供もいた。


 当時、この恐ろしい“発見”はオーストラリアで発覚した最悪の近親相姦事件と言われ、近親相姦、児童への性的暴行、育児放棄の重大な容疑について捜査する組織「ストライキ・フォース・ハーモイン(Strike Force Hermoyne)」の設立のきっかけとなった。


 地元の報道によると「収容所の子供たちのうち11人は、母親による兄弟、父親、またはその他の近親者の男性との性的関係の産物だった」という。DNA鑑定を含む複雑な捜査、法的問題、そして容疑の重大さから、起訴までに6年かかり、かつての一族のメンバー数名は現在4つの州で強姦や偽証などの罪で有罪判決を受け、投獄されている。


 近親婚が禁じられ、一夫一婦制が前提である先進国の中でも場合によってはこのような近親婚ファミリーやコミュニティが発覚することがあり、また一夫多妻制や近親婚の伝統を維持するカルト宗教コミュニティなどもある。その一番の犠牲者は遺伝的疾患を持って生まれた子供たちである。そこに生まれたというだけで多大なハンデを背負うことになる悲劇は無くさなくてはならない。



参考:「The Intercept」、「The Sun」ほか

tocana

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