至福の時は続かない・・・気持ち揺らぐ「○○放題」の弊害とは
2022年12月2日(金)20時30分 ココカラネクスト

食べ放題、詰め放題、乗り放題、掛け放題・・・。
人はこの『○○放題』の文字に惑わされます。居酒屋の前でよく見かける「飲み放題」の文字に目を奪われて、その条件に一喜一憂する。恥ずかしながら、ムムッ、なんだって!?と注視してしまうのは私だけでしょうか?
寂しいかな。新型コロナによる度重なる緊急事態宣言もあって、今は店頭の幟もさみしく棚引いています。お店は営業自粛を強制されても、消費者は欲望を満たしたいがために、飲酒の機会を創出しようとします。コンビニの前や駅の広場のドンチャン騒ぎは論外として、自宅での「家飲み」は閉店や帰宅時間の制約がない。ついついお酒の量が増えてしまいがちではないでしょうか?
酒類の卸業者は大量の生ビールの返品に悩まされています。生ビールとしての賞味期限が過ぎても、決められた保存方法で、食べたり飲んだりしない方が良い消費期限(※)を守れば飲むことができるのは、食品ロスを回避できるかも知れません。ビールメーカーは会員に卓上ビールサーバーを無料で貸し出して、定期的に生ビールを届けるサービスをスタートしています。
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みなさん十分ご承知の通り、このサービスは飲食店から自宅に場所を変えた、飲み放題のイメージを思い浮かべてはいけない。デジタルコンテンツのビジネスモデル、よくある「聴き放題」のサブスクリプシション(サブスク)ではありません。広告には飲酒に関して、20歳未満、妊娠中や授乳期の母親への注意喚起は怠っていないのは良しとしても、キッチン・ドリンカーを生み出し兼ねないと思う。祖母の口癖だった「お酒は出世する。」のように、過度な飲酒が常態化することを危惧しています。
私は飲み放題と聞くとビールサーバーを思い浮かべてしまいます。
以前、愛媛県松山市で開催された医学会に参加したことがあります。松山城にほど近い温泉宿に宿泊しました。出張前に適当にネット予約した宿泊場所だったのですが。ここが大当たり。県外から大勢の参加者がいたにも拘わらず、予約客が少ない穴場で、道後温泉の引き湯に独り占めで浸かることができました。さらに夕食がよかった!小皿に分けられた30品目のおかずが食べ(取り)放題。お刺身の盛り合わせは1皿だけだったのは苦々しい思いでしたが。
何よりも生ビールの主要3銘柄の飲み放題付きだったのです。もうウキウキでした。お代わりはすべてセルフサービス。食堂を見渡すと、飲み屋でよく見かけるビールサーバーが3台鎮座している。制限時間(2時間)を無駄にしてはならじと、3歩歩けばサーバーに当たる座席を早々に確保して夢のひとときを過ごしました。コックを倒せばトクトクと・・・。これで料金は税込みで¥3,000しなかったのです。
夏目漱石も愛した温泉で疲れを癒し、30品目の肴で生ビールを呷る。お財布への大きなダメージもなく、心もからだもポッカポカでした。「○○放題」を満喫した旅行でした。
こんなことを経験してしまった私にとって、ビールサーバーが自宅にあることは甘い罠と言わざるを得ない。
抑え難い飲酒への欲求が募って、そのうち身も心も蝕まれて、人との信頼関係も失われてしまいます。何はともあれ、厳しく自分自身で飲み過ぎを律することが肝要です。
【参考】
(※)農林水産省ホームページ
[文:健康わくわくサイト 人生100年時代に役立つトレヴィアをお届けします]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
株式会社SOily 代表取締役 岡本 頼幸

幼少時代から生命の不思議に取り付かれてきました。
生体の分化発生の不思議を研究 〜 免疫検査を通しての患者様への想い 〜 医療・健康機器のユーザー様から頂いた奉仕の心・・・。
これらのことから医療・健康の大切さを、長年にわたって実感して参りました。
今、予防医療というポピュレーションストラテジーが重要になっています。
更に「競技スポーツ」に「健康スポーツ」という親しみ易い概念も取り入れようとしています。
みなさまが人生の目的を達成するために大切な、「健康」についてのトレヴィアをお届けしたいと思っています。
みなさまの目となり耳となりそして足となって得た豆知識を、私の経験を交えてできるだけ分かり易くお伝えできれば幸いです。