元日恒例のスポーツ紙芸能報道「熱愛発覚」からの「事務所否定」はなぜ起きるのか

2022年12月30日(金)17時0分 ココカラネクスト

 もういくつ寝るとお正月。となると、毎年元日恒例の「アレ」が再び、繰り広げられることになるのでしょうか。

 スポーツ紙が1月1日付けの芸能面で放った「元日熱愛発覚スクープ」を、ライバル紙がその日のうちに否定してニュース配信する、あの茶番劇です。

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 スポーツ紙の芸能デスクはこう言います。

「時代は令和なので正直、もうやめた方がいいと思うんですが(笑)。いつからかこの業界には、元日の芸能面はスクープ記事で彩られなくてはならないという不文律が出来上がったんです。でも、そんなにスクープなんて転がっていないし、あったとしても他社の動向が気になるから、普通は元日まで待たずに書いちゃうでしょう(笑)。そんなこともあって、精度が低い熱愛情報でも『本紙の取材で判明』と見切り発車してしまうわけです」

 そうして放たれた「誰と誰が熱愛」という記事は、元日の午前中にネットでバズりながらも、午後には事務所や本人が否定のコメントを発表し、「結局は誤報か」という扱いにされ、短い“賞味期限”が切れることになってしまうのです。

「誤報じゃなくて実は真実かもしれないけど、この世界では当事者がSNSで否定したら、『誤報だ』と扱われてしまう怖さがある。同業他社も他紙の手柄にしたくないので、否定記事を喜々として配信して、それが場合によっては『熱愛』の第一報よりもバズってしまう。そこには完全に読者が置き去りにされている。業界内の悪しき慣習だけで物事が判断されているわけです」(前述のデスク)

 解決策はあるのでしょうか。ネットメディアの関係者はこう提案します。

「結局、現場の芸能記者も書きたくて書いている熱愛記事ではなく、デスクら上司のプレッシャーに負けて『書かされている』例がほとんどです。今、この時間も若き芸能記者たちが事務所関係者やテレビ関係者に電話をしまくって『なんか熱愛ネタはないですか?』と取材をしていると思うと、不憫でなりません。その時間、古今東西の名作と呼ばれる映画を見たり、コンサートに出かけた方が芸能記者としてのスキルアップになるのに、本当にもったいない。新しい感覚のリーダーが『精度の低い記事なら必要ない』との方針を掲げれば、この茶番劇も一掃されると思うんですが…」

 とはいうものの、お雑煮におせち料理、お年玉に凧揚げがお正月のスタンダードであるように、今年はどんな「熱愛スクープ→否定記事」が出されるのかを楽しむのも、また一興と言えるかもしれません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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