能登半島地震から1週間 依然、震度5強以上の発生確率は平常時の100倍超

2024年1月8日(月)20時0分 ウェザーニュース

2024/01/08 17:00 ウェザーニュース

1月1日に石川県能登地方で発生したM7.6 最大震度7の地震(令和6年能登半島地震)から1週間がたち、地震回数は徐々に減少傾向となっています。
ただ、過去にあった近い規模の地震では、1か月後に最大余震が発生した事例もあり、まだ強い揺れに対して油断はできません。
8日(月)14時までの地震活動の状況をまとめます。

地震の回数は徐々に減少傾向

1時間ごとの震度1以上の地震の回数(ウェザーニュース集計)

1日(月)16時から8日(月)13時までの震度1以上の地震の回数を集計すると、1日が359回、2日が414回、3日が176回、4日が85回、5日が81回、6日が55回、7日が35回、8日が16回となっています。累計回数は1219回、うち最大震度5弱以上の地震は15回となっています。
日ごとに回数は減少傾向ですが、M7.6の地震から5日がたった6日(土)にも震度6弱の地震が1回、震度5強の地震が1回発生していて、まだ油断ができないことがわかります。

最大震度1未満の地震を含む震央分布

最大震度1未満の地震を含む震央分布をみると、1日の震源域からの拡大はみられず、直近の8日の震央分布も石川県西方沖〜佐渡島の西にかけての約150kmの範囲内に分布しています。
冒頭の図をみると、M3.5以上の地震の回数も減少傾向であることがわかりますが、一方でM4〜5クラスの地震は散発的に起こっていることがわかります。

本震—余震型の傾向か 1か月後に最大余震発生した事例も

能登半島周辺で2020年から続いている地震活動では、これまでの最大は2023年5月5日のM6.5 最大震度6強の地震でしたが、今回のM7.6の地震はその40〜50倍程度のエネルギーということになります。日本周辺で発生した地震でみても、深発地震を除けば2011年3月の東北地方太平洋沖地震の一連の活動以来の規模といえます。
地震活動の状況からは、過去数年間に能登半島周辺で発生していた群発的な地震活動型とは違い、従来から他の地域でもよくみられる本震—余震型の傾向がみられます。今後も徐々に地震の回数が減少していくと考えられます。
ただ、強い余震がいつまで続くかは予測することができません。過去の本震—余震型の地震をみても、数週間から数ヶ月たった後にM5〜6クラスの余震が発生しているものもあります。今回の地震の規模に近い事例をみると、1983年に発生したM7.7の日本海中部地震、1993年に発生したM7.8の北海道南西沖地震では、ともに本震のおよそ1か月後に最大余震が発生しています。
気象庁の計算した、今日8日(月)の時点での震度5強以上の地震の発生確率は、本震の発生当初と比べると1/2程度にまで低下しているものの、平常時と比較すると依然として100倍超となっています。
これまでに建物がダメージを受けていた場合、余震によって倒壊するなどのおそれがありますので、引き続き安全な場所で過ごすようにしてください。

一連の最大となった地震の概要

震源地:石川県能登地方
規模(マグニチュード):M7.6
震源の深さ:16km
各地の震度(震度6弱以上)
■震度7:
【石川県】志賀町香能
■震度6強:
【石川県】七尾市垣吉町 七尾市能登島向田町 輪島市鳳至町 輪島市河井町 珠洲市三崎町 珠洲市正院町 珠洲市大谷町 穴水町大町
■震度6弱:
【新潟県】長岡市中之島
【石川県】志賀町富来領家町 志賀町末吉千古 七尾市本府中町 七尾市袖ヶ江町 中能登町末坂 中能登町能登部下 能登町宇出津
この地震により、一時は石川県に大津波警報が、北陸地方などに津波警報が発表されていましたが、いずれも時間の経過に伴う減衰により解除されています。
観測された津波の高さは、最大の輪島港で「1.2m以上」と発表されていますが、現時点では能登半島周辺の正確な津波の高さはわかっていません。
国内で震度7を観測するのは2018年の胆振地方中東部の地震以来で、そのほかには熊本地震、東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震、新潟県中越地震など、いずれも大きな被害をもたらしたものばかりです。石川県内で震度7を観測するのは観測開始以来、初めてでした。
出典
震央分布データ:気象庁HPより

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