これから旬を迎える魚介類は? 知っておきたい魚の旬カレンダー

2024年3月16日(土)5時0分 ウェザーニュース

2024/03/16 05:10 ウェザーニュース

少しずつ春の兆しが感じられる時季になりました。季語に「山笑う」とあるように山の木々の蕾もふくらんできますが、海も同様に水がぬるんで、海藻の新芽が出たり、魚たちの活動も活発になってきます。
これからが旬の魚介類も店頭に並びます。そこで春が旬の魚介類について、株式会社ヤマスエ水産取締役、内海貴久さんに聞きました。

「春告魚」と呼ばれる魚がいる

ウグイスが別名「春告鳥」(はるつげどり)と呼ばれることは知られていますが、これからの時季に旬を迎えて漁獲量が上がることから「春告魚」(はるつげうお)と呼ばれる魚もあるそうです。
「『春告魚』は、もともとは北海道で3〜5月にニシンが産卵のために大量に集まって押し寄せてきたことから、ニシンをこう呼んでいたのが発祥、という説があります。しかし、1950年代以降ニシンが激減したため、転じて今では春が旬、または産卵する魚を春告魚と呼ぶようになったとも言われています
春告魚は、地域によって異なります。まず北日本ではニシン、関東や中部地方ではメバル、サヨリなど、関西地方ではサワラ、イカナゴなど、四国や中国地方ではカツオ、南日本ではシロウオなどが春告魚と呼ばれます。
その他、春に旬を迎える魚類にはホタルイカなどもあります」(内海さん)

名前に春を感じる魚も

これからが旬で、春を感じさせる名前の魚もあります。
「たとえば桜が開花するころに川に遡上することからその名がついたサクラマスや、雄の体色のピンクが一層鮮やかになり、花びらを散らしたような白い斑点が出ることと、桜の開花時期に獲れることから、この時季だけサクラダイ(桜鯛、和名の『サクラダイ』は別種)と呼ばれるマダイが挙げられます。
さらに、名前の通り桜色をしているサクラエビ、先述したサワラも漢字にすると『鰆』になり『春』が入っています。
ただ、マダイやニシンのような、産卵期を迎えている魚は脂の乗りが少なく、あっさりした味になることがあります。脂がしっかり乗っている方が良いか、あっさりとした方が良いかはお好み次第です」(内海さん)

春に旬を迎える貝類や海藻

魚類だけでなく、春が旬の貝類や海藻も教えてください。
「貝類ではアオヤギ、ハマグリ、アサリなどがあります。
海藻類は陸上の植物と同様、新芽が出る時季にあたるものが美味しくなります。ワカメやメカブ、ヒジキなどが旬を迎えます。
特にこの時季だけ出回る生の新ワカメは、通年出回っている塩蔵や乾燥ものとは一線を画します。生では沈んだ茶色をしていますが、茹でると一瞬で鮮やかな緑に変わり、柔らかいながらもシャキシャキとした食感が楽しめます」(内海さん)
これから旬を迎える魚介類に注目して、食卓でも春を満喫してみませんか。

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