春に多い鼻炎・結膜炎 鼻水や目の痒みの原因は花粉だけではないかも?

2024年4月11日(木)5時10分 ウェザーニュース

2024/04/11 05:00 ウェザーニュース

遅れていた桜の季節を迎え、暖かな春の到来を感じます。それとともに増えてくるのが鼻のムズムズや目のかゆみなどです。ただ、不快な症状があるもののスギ花粉の飛散情報と自分の症状の出るタイミングがズレるということはないでしょうか。
春の鼻や目の諸症状の原因は、スギ花粉以外にもいろいろあるといいます。正しい対策のために原因について教えていただきましょう。

春のムズムズの原因は?

春に鼻がムズムズしたり、くしゃみが出るとき、真っ先に花粉症が疑われます。
「花粉症は季節性アレルギー性鼻炎の1つ。アレルゲンが鼻などから体に入ると、それを排除しようと免疫機能が過剰に働くことで、症状が起きるものです。春の花粉症の原因となる花粉はスギ以外にも、ヒノキ、イネ科などがあります。それぞれの飛散は、スギ花粉と重なる期間もありますが、ピークなどが異なります。
ただ、今の時期に鼻水や目のかゆみを起こすアレルギー性鼻炎の原因は、花粉以外にもあります。一番問題になりやすいのはダニです。ほかに、ガやゴキブリなどの昆虫、カビ、イヌやネコなどのペットの毛やフケ、ハウスダストなども問題となります。
これらは、1年を通して起きることのある通年性アレルギー性鼻炎ですが、春にトラブルとなることが珍しくありません」(大阪はびきの医療センター耳鼻咽喉・頭頸部外科 主任部長の川島佳代子先生)

目がゴロゴロ、充血の原因は?

目のかゆみ、ゴロゴロする、充血などはどうでしょうか。
「スギをはじめ花粉を原因とする花粉症は、春の目のかゆみの原因の1つです。ダニやカビ、ペットの毛やフケ、ハウスダストなどによるアレルギー性結膜炎も多くなります。
また、細菌やウイルスなどへの感染による感染性結膜炎もあります。症状は目が赤くなるほか、目やにや涙が出たり、光に過敏になったりすることがあります。
ほかに、春は風に巻き上げられたほこりや黄砂が目に入ったり、疲れやストレスで抵抗力が落ちて、ものもらい(麦粒腫)などで目にかゆみが生じることもあります」(横浜市立大学眼科学教室主任教授の水木信久先生)

アレルゲンの侵入を減らす!

心当たりがある場合は病院を受診して、自分が何にアレルギーを持っているのかを知る必要があります。
「アレルギー症状がある場合は、投薬などとともに体内に入るアレルゲンをできるだけ減らすことが治療の基本となります。
例えば、ダニならばこまめな掃除によりダニの死骸を除去したり、ダニが増えにくい環境を整えます。病院では、皮膚テストや血液検査などで診断します。
小さなお子さんの場合は、自分では症状を訴えられません。鼻水や鼻づまりのほか、顔をしかめている、口呼吸・いびきなどは、アレルギー性鼻炎のサインの可能性があるので、注意してあげましょう」(川島先生)
目の場合も基本は同じです。
「かゆみの原因となるものが、なるべく目に入らないようにすることが大切です。メガネやゴーグルを使ったり、帰宅時に人工涙液や目を洗う用の点眼薬で洗い流すなどするといいでしょう。
かゆくても手で目をこするのは厳禁です。かゆみが強いときは早めに病院を受診しましょう」(水木先生)
春は、環境やライフスタイルに変化が多く、疲労やストレスなどにより、不調が強く出ることもあるようです。気になる症状があるのなら、耳鼻科・耳鼻咽喉科、眼科などを受診するようにしましょう。

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