旅行YouTuberも驚きの大揺れ、乗客から悲鳴も...CAの落ち着いた案内に称賛 反響にJAL「日頃より訓練を」
2025年4月16日(水)18時46分 J-CASTニュース
「普通にシートベルトしていなかったら体が浮き上がっていました」
こんな言葉とともに、フライト中の飛行機が大きく揺れる様子の動画がXに投稿され、その揺れの大きさに驚く声や、落ち着いた客室乗務員(CA)の案内を称賛する声が寄せられている。
この飛行機を運航したJ-AIRの親会社・日本航空(JAL)は、「大気が不安定な状況」だったことが原因と推測。CAの対応への反響には、「日頃より訓練を行っておりますので、安心してご搭乗ください」とコメントした。
CAの落ち着いた仕事ぶりに称賛「さすが」
動画を投稿したのは、YouTubeで旅行や乗り物の情報などを発信している、ひろむらさんだ。
動画には、ひろむらさんの前に座っている乗客の頭が揺れる様子や、CAの「引き続き、シートベルトは緩みのないようにしっかりとお締めくださいませ」といった落ち着いた案内が収められていた。カメラも大きくぶれており、揺れの大きさを表している。「自分の中では、人生で過去に経験がなかった程の大きな揺れ」だったという。
投稿には、「ヤバい、、怖すぎますね。。」「見てるだけで泣きそうな揺れです」など、揺れの大きさに畏怖する声や、「さすがCAさん。落ち着いたアナウンス」「こんなに揺れてる中でもCAのアナウンス聞くと不思議と安心する」など、落ち着いたCAの対応に言及する声もあった。
ひろむらさんによると、乗っていたのは、JALグループの航空会社・J-AIRが運航する、13日の隠岐空港15時5分発・伊丹空港15時50分着のJL2332便(エンブラエルE170型機)。76席を備える、比較的小型の「リージョナルジェット」と呼ばれる飛行機だ。動画の大きな揺れがあったのは離陸から20分〜25分が経過し、兵庫県上空を飛行しているときのことだったという。
当時の機内の様子について、「揺れ自体は予想されていたようで、すでにシートベルトサインがついていました。周りの方も落ち着いている様子で、カメラが回っていない間に前方で数名が悲鳴をあげてはいましたが、それ以外は落ち着いていました」と明かした。CAの対応についても、「非常に落ち着かれていて、CAさんの仕事ぶりは常人離れしているなと素直に感じました」と称賛した。
一方で、ひろむらさんの後方にはギャレー(厨房設備)があったといい、「その中にあるさまざまなものが音を立てていたのが印象的でした」と、揺れの大きさに言及した。
ひろむらさんは、この2年間は年間で100回以上飛行機に乗っているといい、
「これ以上激しい乱気流も実際にはあること、そしてそれでも飛行機自体が壊れたり落ちることはまずあり得ないことも知っていたので、恐怖心はほぼありませんでした。ただ、自分の経験では1番の揺れだったので、驚きはありました」
と振り返った。
大きな揺れの原因は?「強度の揺れの予報は出ていませんでした」
では、なぜ今回このようにフライト時に大きな揺れが起きたのだろうか。JAL広報部の担当者は16日、J-CASTニュースの取材に、「上空に強い寒気が入り、大気が不安定な状況でした」と当時の状況を明かし、
「その影響で垂直方向の風速変化が大きかっただけでなく、雲による揺れも相まって大きく揺れたものと推測しています」
と説明した。事前に「並み」の揺れは予想していたものの、「強度の揺れの予報は出ていませんでした」という。
こうした気候による揺れはよくあるのか。この点については「極力揺れない経路、高度を選んで運航しておりますが、急な風向、風速の変化により予期せず大きく揺れることもございます」と説明した。
なお、機体の揺れが原因で死傷者が出る「事故」は、運輸安全委員会の発行する「運輸安全委員会ダイジェスト」によると、04年から23年で37件起きており、その多くが「雲中乱気流(主として積乱雲等の対流雲の影響によるもの)」と「晴天乱気流(高高度において雲(上層雲を除く)のない空域において発生するもの)」が占めている。
今回投稿では、CAの落ち着いた対応にも注目が集まった。こうした反響についてJAL広報の担当者は、
「揺れの予測情報について、飛行前の段階だけではなく運航中においても乗務員間で迅速かつ綿密に共有することで事故防止に役立てております」
「乗務員は、急な揺れが発生したときの対応について日頃より訓練を行っておりますので、安心してご搭乗ください」
とコメントするとともに、「お客さまご自身も、お席にお座りの間、常時シートベルトをお締めいただき揺れに備えていただけましたら幸いでございます」と、呼びかけた。